2006年に「ユニクロ」の兄弟ブランドとして誕生した「GU」は、436店(2020年8月31日現在)の店舗を有するほどにまで成長しており、ユニクロとの差別化に成功したといっていいだろう。ファッションと低価格を両立させるという基本スタンスを取るGUは、ユニクロよりもリーズナブルな価格帯を打ち出しつつ、ベーシックデザインが多いユニクロとは異なり、積極的にトレンドのデザインを取り入れている。
また、今年10月にはGUらしくファッション性に富んだオリジナルのマスクも販売開始。ユニクロの「エアリズムマスク」よりもカラーやパターンのバリエーションを充実させている。独自の素材で高機能フィルターを挟んだ3層構造を採用し、ウイルスの侵入を防ぐ高機能性も備えているという。
さて、そんなGUだがトレンドを取り入れた服が多いため、着こなしが難しいアイテムや、10代後半~20代前半でないと似合わないアイテムも多い。
そこで今回はGUの冬アイテムで、おすすめできない服をセレクト。「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」が「この冬、買ってはいけないGUの服5選」をリストアップし、恋愛コラムニストで10年以上のファッションライター経験もある堺屋大地氏に、おすすめできない理由を解説していただいた。
今回、以下の3つを基準として選定した。
・ファッションビギナーが着るとダサくなる可能性が高いこと
・“最先端のおしゃれ”すぎて一般ウケしない場合があること
・無理に若ぶっているように見えるなどして女子ウケが悪いこと
ローゲージブークレセーター(長袖)/1990円(税別、以下同)
粗い編み目のローゲージセーター。「ブークレ」とは表面に糸のループが出るように加工された生地のことで、優しい雰囲気を醸し出したトップスとなっている。カラーバリエーション(カラバリ)はブラック、ブラウン、ダークパープルの3色展開。
「『買ってはいけない』のはカラバリのなかのダークパープルです。10代~20代前半の中性的なタイプの男性なら着こなせると思いますが、大人男性が着るには、ちょっとフェミニンなテイストが出すぎていますね。ブラックとブラウンは買ってもいいかもしれませんが、やはりどちらかというと若者向けのトップスなので、注意しましょう」(堺屋氏)
ビッグスウェットシャツDemon Slayer +E/1490円(値下げ後価格)
社会現象化しているアニメ『鬼滅の刃』とのコラボレートシリーズのスウェットシャツで、こちらは胸元に「鬼滅」という刺繍があしらわれている。カラバリはホワイト(刺繍文字はブラック)、ブラック(刺繍文字はホワイト)の2色展開。
「大前提として、作品としての『鬼滅の刃』がダサいとかおもしろくないと言うつもりは一切なく、とてもおもしろい作品だと思っています。ただ、このスウェットのGUのデザインセンスは壊滅的にヤバいのではないでしょうか。刺繍をあしらったシンプルなデザインなのはいいですが、胸の中央にドーンと『鬼滅』とあしらうのはいかがなものか……。ちなみに別のバリエーションでは、主人公・竈門炭治郎と仲間の我妻善逸、嘴平伊之助の3人が胸元にプリントされているものもありますが、こちらもデザイン的にダサいので『買ってはいけない』アイテムですね」(同)
ビッグスウェットシャツ(長袖)MARVEL 2+E/1490円(値下げ後価格)
スタンダードなスウェットシャツの胸元に、「AVENGERS」というロゴとアイアンマンやキャプテン・アメリカといったヒーローたちがプリントされている。また左腕にも「AVENGERS」とプリントオン。カラバリはグレー、ライトブルーの2色展開。
「こちらも『鬼滅の刃』同様、MARVEL作品がダサいとかいちゃもんをつける気は毛頭なく、問題はGUが手掛けたデザインです。特にカラバリのライトブルーのほうは、ビビッドな青地に白プリントになっており、小学生男子ファッションのよう。例え『AVENGERS』が好きな映画ファンだったとしても、キャラたちが堂々とプリントされたこのスウェットを、大人男性が着るのはキツいでしょう。部屋にインテリアとして飾るためならばアリかもしれませんが、“着る”のはやめたほうがいいと思います」(同)
オーバーサイズバンドカラーシャツ(長袖)/2490円
ビッグシルエットの無地シャツで、一般的なエリではなく帯状のエリ(バンドカラー)になっているのが特徴。カラバリはグレー、ブラック、カーキ、クリーム、グリーンの5色展開。
「数年前からメンズファッションでビッグシルエットがはやっており、その流れを汲んだシャツです。この手のオーバーサイズアイテムは意外と着こなすのが難しいのですが、こちらは特にゆったりと着るタイプ。ですから、ファッション玄人じゃないとおしゃれにならない可能性が高いと思います。トータルコーデのセンスに自信があるならば買ってもOKですが、自信がない人は避けて通りましょう」(同)
フランネルシェフパンツ(チェック3)/1690円
フランネル素材を採用した温かみのあるボトム。裾に向かって先細りするテーパードシルエットになっているため、太ももはゆったり穿ける。タックイン、ロールアップ、ワンクッションといったアレンジが可能。
「『買ってはいけない』理由は、大人世代が着るにはかわいくなりすぎるから、ですね。いわゆるバーバリーチェックに似た柄が全面にあしらわれていて、上品なデザインではありますが、これをスタイリッシュに着こなせるのはファッション玄人か若者でしょう。今回紹介したモノ以外でもGUはシェフパンツをけっこう推し出していますが、大人男性はあまり手を出さないほうがいいデザインが多いですね」(同)
今回紹介した5品は率直に言ってダサいモノもあれば、逆にトレンド感のあるハイセンスだけに、ファッションに詳しくない方には向いていないというモノもあった。GUは感度の高い若者向けのデザインワークが主流だけに、シンプルなアイテムならOKというわけではない。大人世代がGU服でコーデする際は、柄モノや派手色は避けるのがベターだろう。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」 from A4studio)
※情報は2020年12月10日現在のものです。