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北海道一周ドライブ旅行、知らないと「命の危険」すらある注意点が多数

取材・文=文月/A4studio
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「gettyimages」より

 毎年、多くの観光客が訪れる北海道は、街を離れると豊かな自然を背景とした広大な道路が延々と続く土地だ。筆者も北海道出身の道産子なのだが、北海道の道央から道東にかけての道路は、たしかに地平線がどこまでも続くかと錯覚するほど広いと感じる。

 そんな北の大地において、マイカーとともに足を運び、景色やご当地グルメを楽しみながら気ままにドライブを楽しむドライバーは多い。特に北海道の海沿いを何日もかけて自動車で一周する北海道一周ドライブ旅行は、北海道を愛するドライバーなら一度は夢見る旅ではないだろうか。

 しかし、ネット上では未経験者が北海道一周ドライブ旅行をする際に、いくつか注意点があることを指摘する声は少なくない。たとえば、5月中旬にあるTwitterユーザーが投稿した下記のツイートは5000件以上の「いいね」を獲得し話題になっている。

「北海道一周旅行をする皆さんへ 釧路以東、根室へ自家用車で向かう際は、必ず、必ず厚岸と厚床で車の燃料補給と簡単な点検、そして自分の食事等を済まし、30分程度は休憩をしてください。死にます」

 道民である筆者の所感からすると、上記ツイートの内容は大げさではなく、むしろ北海道一周旅行を考えるドライバーは、全員肝に銘じておくべきだと断言できる。北海道一周は夢がある旅ではあるが、準備を怠れば危険な目に遭う可能性もあるのだ。

 そこで本記事では、チャンネル登録者数10万人越えのYouTubeチャンネル「コスケの北海道でドライブを楽しむチャンネル」のコスケ氏にインタビュー。生粋の道民視点で北海道のドライブ動画を投稿し、実際に北海道一周を達成した人物でもあるコスケ氏に、北海道一周の注意点やノウハウなどを聞いてみた。

どんな車種でもOKだが事前準備はしっかりとすべし

 まず北海道一周において肝心である車だが、コスケ氏いわくそこまで車種のスペックは問われないという。

「北海道一周旅行では、海沿いの道を走ることがほとんどになるかと思いますが、基本的に舗装がされていないデコボコとした道は少ないです。ですから軽自動車などでも一周は可能でしょう。

 ただし、事前の準備は怠らないようにすべきです。長旅になることが予想されるので、タイヤの空気圧やオイルの量、バッテリーの状態チェックは入念に行いましょう。エンストなどのトラブルで車が止まったときに非常に困ることになります。

 一応エンストしたときでも、連絡さえできれば緊急車両は来てくれますが、場所次第では最寄りの街から到着まで1、2時間もかかることは珍しくありません。また、それ以前に携帯電話の電波が圏外になることもあり得ます」(コスケ氏)

 続けて、事前の準備という点でいえば、防寒対策もしっかりと行うべきだとコスケ氏は語る。

「車中泊を行う場合などは、長袖のジャケットや毛布、寝袋は必須になりますね。これは冬だけでなく夏も例外ではありません。たとえば2021年8月の根室の最高気温は、20度以下の日が31日中14日もありました。また同年7月の最低気温では、なんと10度以下を記録した日もあり、夏とは思えない寒さが体を襲ってきます。特に朝晩は冷え込むので、防寒対策はきっちりと行わなければ、体調を崩す原因にもなってしまうんです」(同)

 では用意しておくと便利なアイテム、あったら旅が楽になるアイテムは、どんな物が挙げられるのだろうか。

「車のバッテリーがあがってしまう恐れもあるので、車の予備電池であるジャンプスターターは用意しておくと安心でしょう。また春先や初秋などドライブする時期によっては、雪が降る可能性もあります。路面凍結対策に冬タイヤの準備や、雪や泥にタイヤがハマって抜け出せなくなる現象であるスタックの対策に、スコップやスノーヘルパー(タイヤに挟み込みグリップさせることでスタックから抜け出すためのカー用品)を準備しておくと便利でしょう。

 そして、フロントガラスに積もった雪を掃く“冬用”のワイパーを設置する必要も出てきます。ちなみにこのアイテムは、私のチャンネルでも紹介しているのですが、視聴者の方から“そんなアイテムがあるんですね!”とコメントされることがありました。道民の私からすると、当たり前の道具だったのでかなりびっくりしましたね(笑)」(同)

お店が全然見つからない? 野生動物にも注意が必要

 長い道のりを運転することが予想される北海道一周旅行。その道中でこまめに気を付けておくべきことも教えていただこう。

「場所と時間帯によっては、100㎞ぐらいどこにもお店が見当たらないという一帯も珍しくはないので、ガソリンの給油とトイレ、買い物の手配は常に意識しておいたほうがいいです。特に飲食に関しては、朝食をとろうとしてもお店が全然見つからず、結局食事がお昼ごろになってしまうなんてこともよくある話です。

 また地方では夜になると、もともと数が少ないガソリンスタンドはおろか、コンビニも早々に閉店してしまうところが多いので、お店は早めにリサーチしてどこに立ち寄るかなどを予定しておくのが吉でしょう」(同)

 コスケ氏は、北海道を車で移動する際の鉄則もあると語る。

釧路や根室などの道東は、シカなどの野生動物が頻繁に出現するので危険です。夜間は特に出やすく、カーブ先に急に飛び出してきたり、路肩に隠れていたりと対策のしようがないことが多いです。

 ですから、暗くなってきたら運転はやめて休むというのが一番の安全策。それでも、寝床が見つからず運転しなければいけないときは、スピードを出しすぎない、ハイビームを常に照らすなどの対策をしておきましょう」(同)

 北海道の田舎道は街灯が設置されていないところが多く、視界が非常に悪くなりやすい。暗くなったら無理せずに休むことが大事なのである。そこでコスケ氏は、北海道のおすすめの休憩スポットを紹介してくれた。

「個人的におすすめしたいのは、やはり道の駅ですね。どこの道の駅も駐車場がかなり広く、24時間トイレに行ける場所となっているので、休憩に困ったときは近くの道の駅を把握しておくようにしましょう。

 また、お昼休憩の際には、北海道の名物コンビニチェーンであるセイコーマートもおすすめ。セコマはイートインスペースが設置されているのと、店内調理コーナーである『ホットシェフ』があるところが多く、休憩するのにもってこいの場所なんです。ホットシェフはコンビニとは思えないクオリティの商品ばかりなので、ぜひ足を運んでいただきたいですね」(同)

 では最後に北海道一周をするうえで、外せない名所や観光スポットを挙げていただこう。

「いろいろあって悩みますが(笑)、やっぱり北海道を一周するのであれば、北海道最北端の宗谷岬、最南端の白神岬、最東端の納沙布岬は立ち寄っておいて損はないですね。記念碑もあるので、達成感がありますよ。またドライブコースであれば、厚岸から根室までの太平洋シーサイドラインや、小樽から稚内までの日本海オロロンラインは、景色もきれいで美味しい食べ物もたくさんあるのでおすすめですね」(同)

 夢の北海道一周旅行。知らないと危険なことも多々あるが、それ以上に満足感と達成感を味わえる極上の旅でもある。興味がある方はぜひしっかりと知識を蓄えたうえで、準備を怠らずに挑戦してみていただきたい。

(取材・文=文月/A4studio)

A4studio

A4studio

エーヨンスタジオ/WEB媒体(ニュースサイト)、雑誌媒体(週刊誌)を中心に、時事系、サブカル系、ビジネス系などのトピックの企画・編集・執筆を行う編集プロダクション。
株式会社A4studio

Twitter:@a4studio_tokyo

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