「ダマシ」を利用し逆手に取る 勝てる株トレーダーの思考
副業として、資産運用として株取引に関心がある人は多く、その中でも株価の値動きを示す「チャート」を使って売買するトレーダーは少しでも多くの利益を出すために、チャート分析の勉強・研究を日々重ねる。自分が注目する銘柄の「未来」を予測するためである。
多くのトレーダーはこのチャート分析の研究を重ねることで「買いサイン」「売りサイン」を見い出し、それらを頭に叩き込み、利益を出すチャンスに備えるのだ。
ただ、チャートは株価の「未来」を予測するために大きな役割を果たす指標である一方で、時にトレーダーを欺く。「確実な買いサイン」が出ていた銘柄が下がり、「テッパンの売りサイン」が出た直後に値上がりすることは決して珍しくない。
『騙されるな!嵌められるな!欺かれるな!株チャートサインを鵜呑みにしない次世代技法』(冨田晃右著、ぱる出版刊)から、こうした「チャートに騙される現象」が生まれる理由と対策に迫る本連載。二回目の今回はチャートに騙されないための心構えについて紹介する。
トレードは負けることが大前提
連載の第一回で取り上げたように、「チャートに騙される」現象の多くはトレーダー本人の判断ミスによるところが大きい。つまり、「チャートのダマシ」は人間の心理が生み出すものだと考えた方がいい。
当然、株トレードをやるからには誰もが利益を出したいし、稼ぐことができると考えている。楽観的な人であれば、チャート分析をそれなりに勉強すれば、10回トレードすれば8回くらいは勝てると考えているかもしれない。ただ、その考えこそが「チャートに騙される」原因になる。
本書によれば、現実の株トレードは5割勝てたら御の字、6割勝てたら上出来という世界であり、個々の取引では負けることが普通だという。そして、トレードでは往々にして普通の人が持っている人間心理と相反するアクションが求められる。普通の心理状態のままでトレードをすると、基本的には損をしてしまうものなのだ。
「トレードは負けるもの」「すべて勝てるものではなく、必ず一定数は負ける」を大前提として理解しておくことが、チャートに騙されないための第一歩となる。
他人の思考と言動に興味を持て
日々チャートで株の値動きを見ていると、チャートが無機質なグラフだとしか思えなくなってくる。しかし、実際には株の値動きを決めるのは人の行動や心理であり、チャートはそれを反映したもの。チャートとは群集心理が反映されたものなのだ。
だからこそ、世の中の大多数の人が何を考え、どう行動するのかを読めるようになることが、トレードが上達するために必要となる。トレードで必要なのは「自分はこう思う」ではない「みんなはどう思うか」なのだ。
トレードの前に「SSM」を設定せよ
SSMとはS(仕掛け)S(仕切り)M(目標)を指す。
仕掛けとは、買いや空売りのようにトレードを開始する行動。仕切りは利益確定やロスカット(損切り)のようにトレードを終了する行動。目標とは目標利益だ。
つまり、トレードを始める前に、自身の予測をもとにトレードのシナリオを決めておくことが大切。チャート分析自体をどんなに学んで研究しても、このSSMがないトレードは利益確定やロスカット(損切り)が上手にできない。トレード開始後に含み益があっても利確が遅くなり、最終的に利益が出なかったり、ロスカット(損切り)が遅れ、大きく損をしたりすることになりやすいからだ。
目当ての銘柄の値動きのパターンをいくつかシミュレーションし、どこで仕掛けて、どうなった時に仕切るかをあらかじめ想定しておく。こうしておくことで、仕掛けた後に想定外の値動きをした時にも損を小さく収めやすくなるという。
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ここでは、チャートに騙されない人、騙されにくい人に備わっている心構えを取り上げたが、知っておくべきことはまだまだある。第三回ではチャートを学んでいれば誰でも知っているサインが「ダマシ」になる事例を紹介する。
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