防水シーツを洗ったら洗濯機が破裂、シャープ製？日立・パナ「聞いたことない」

　ツイッター上で、「防水シーツを洗ったら洗濯機が破裂した」という趣旨のツイートが話題を呼んでいる。

＜【防水、撥水加工のものを洗濯機で洗ってはいけない】 ということは知っていましたが、何度も防水シーツを”他の衣類と一緒に洗って”いて大丈夫だったので「今日は丁寧に1枚だけで洗ってみよう」とネットにも入れずに洗ってしまいました。脱水が出来ず大きな爆発音がして洗濯機が破裂しました＞

【防水、撥水加工のものを洗濯機で洗ってはいけない】
ということは知っていましたが、何度も防水シーツを”他の衣類と一緒に洗って”いて大丈夫だったので「今日は丁寧に1枚だけで洗ってみよう」とネットにも入れずに洗ってしまいました。脱水が出来ず大きな爆発音がして洗濯機が破裂しました? pic.twitter.com/1G1plPQi2v

— さくひか?1y (@SAKU_HIKA) February 27, 2023

　洗濯機は破損し、隣の洗面台にもヒビが入っている写真が添付されており、その衝撃の大きさがうかがえる。

　このツイートにも「防水のものを洗濯機で洗ってはいけない」と書いてあるが、確かに洗濯機の取扱説明書には必ず同様の注意書きがある。だが、一般的には“故障の原因となりうる”という程度にとらえ、防水製品を洗濯機で洗うことが、これほど危険だとは認識していないのではないだろうか。

　そこでBusiness Journal編集部では、洗濯機メーカーに話を聞いてみた。

日立の回答

　まず国内洗濯機市場首位の日立グローバルライフソリューションズの回答。

――Twitter上で洗濯機が破裂したという情報が話題になっているが、御社製でも同様に激しく破損するような事故は起きたことがありますか。

「防水製品は脱水の際に異常振動などを引き起こし、故障の原因となりえます。防水性のある衣類や繊維製品は、洗濯機の転倒、周囲の壁や床の損傷、洗濯物の飛び出しなどの恐れがあるため、洗濯はしないようにと、取扱説明書に記載させていただいております」

――防水製品以外にも、洗濯機の故障原因となるものはありますか。

「滑り止めがついたマットや、全面防水ではなくても裏が防水加工されている製品は原則として洗えません」

――防水製品は、洗濯ネットなどに入れれば洗濯は可能ですか。

「防水製品は、洗濯ネットなどに入れても洗濯できません。防水製品は絶対に洗濯しないでください。なお、洗濯が可能な衣類等を洗濯ネットに入れて洗う場合、その際のネットについても指定があります。ネットが大きすぎると（一辺が40cm以上）、槽の中でネットごと洗濯物が片寄り、異常振動を引き起こす可能性があるからです」

パナソニックの回答

　業界シェア2位のパナソニックにも話を聞いた。

――Twitter上で洗濯機が破裂したという情報が話題になっているが、御社製でも同様に激しく破損するような事故は起きたことがありますか。

「破裂は聞いたことがありませんが、防水製品は脱水の際に異常振動などを引き起こすので、激しく振動することで周辺のものを破損する可能性はあると思います」

――御社製では防水の洗濯物を洗うことができますか。

「防水加工のある製品は、一切洗うことができません。縦型でも横型でも同様です」

――防水加工以外でも洗濯できないものはありますか。

「たとえばスポンジやビーズが入った枕やクッションなどの製品はダメです。また、ウレタンのマットや滑り止め加工のある大型のマットも洗えません」

――それらは洗濯ネットに入れてもダメですか。

「洗濯ネットに入れてもNGとしています」

シャープの回答

　冒頭のツイートにある破裂した洗濯機は、シャープ製ではないかとの指摘がある。そこで、シャープにも問い合わせてみた。

――Twitter上で洗濯機が破裂したという情報が話題になっているが、御社製でも同様に激しく破損するような事故は起きたことがありますか。

「防水性のある衣類、マットなどは破損の危険があるため、絶対に洗わないようにと取扱説明書に記載しています」

ーーネットなどに入れても洗濯はできないということでしょうか。

「ネットに入れても変わらず、絶対にやめていただきたいとお願いしています」

ーー単に故障の原因となるということではなく、今回Twitterに出回っているように、激しく破損したりする可能性もあるということでしょうか。

「防水性のものを洗濯機で洗うと、主に脱水時などに異常振動を起こし、激しく損傷することもあり得ますので、絶対にやめていただきたいと思います」

　レインコートやおねしょマットなどの防水製品のほか、玄関マットや風呂場マット、フローリングのラグなど、裏が滑り止め加工されている製品は、意外と身近に多い。汚れてしまった場合には、洗濯機に放り込まずに手洗いしたほうがいい。コインランドリーなどでも基本的に防水製品はNGとなっているため、うっかり洗濯して故障させてしまうと、賠償問題にもなりかねない。

　防水加工のある製品を洗いたいと思っても、無造作に洗濯機に放り込まず、まずは自宅の洗濯機の取扱説明書を確認してほしい。ちなみに、撥水加工のある製品は、洗濯することは可能だが、洗濯することで撥水効果が低下してしまうので、注意が必要だ。

（文＝Business Journal編集部）