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日本でも16年5月、日産副会長兼CCO(最高顧客責任者)の西川廣人(さいかわ・ひろと)氏が日本自動車工業会会長に就く。西川氏は仏政府との交渉をまとめた日産側の功労者だ。西川氏がポストゴーンの最有力候補といわれている。
人事のカギを握るのは、仏政府だ。ルノーのCEOが交代すれば、日産のCEOも交代する可能性が高い。はたして、99年以来続いてきたゴーン体制に幕を下ろすだろうか。日産は、ルノー=ゴーンに救済してもらった「謝礼」は十分すぎるほど支払った。もし、新体制に生まれ変われば、ルノーの傘の下から脱け出すために一歩踏み出すことになろう。
「日産のカネで開発したプラットホーム(車台)をルノーは無償で使っている。ルノーには部品を購入する際のバーゲニングパワー(対外交渉能力)がないのに、ルノー・日産の部品一括購入という名目で安く購入している」
「ルノーがロシアなど海外に進出する時に、必ず日産にも出資させ、リスクを軽減している」
「日産の日本人経営陣は、ゴーン氏に盲従しているだけでいいのか」
日産社員からは、こうしたルノーに対する不満の声が次々と上がる。生産・販売、海外進出、部品調達など、あらゆる面でルノーは日産を利用し、有形無形の利益を得ているという指摘だ。これまで、ゴーン氏の権力が強かった間はこうした不満は沈潜化してきたが、その力が弱まれば一気に噴出するとの見方が強い。
ゴーン氏はルノーと日産のCEOを兼務しており、両社が対立すれば「利益の相反」が起こる。現在の経営体制は、見直しの時期にきているのかもしれない。
(文=編集部)
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