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キャッチコピーは「北海道産ほくほくポテトとチェダーチーズに焦がし醤油風味の特製オニオンソースが効いたジューシービーフバーガー」と長い。要は牛肉のパテとジャガイモなので素材的な新味に欠ける上、原価削減の意図が透けて見える。食べた感じとしてはボリューム感に乏しく、決して不味いとは思わないけれどもおいしいとも思えない。
結局のところ名前を公募してしまった時点で「失敗」だったと思えてならない。フードサービスの商品も権威であることを強く求められる。商品名を素人に考えさせるなどという、沽券にかかわる真似をしてはならないのである。
スターバックスを見ればわかる。商品名はわかりづらくて客に媚びるところがなく、むしろ「上から目線」とさえ思わせる。だいたいあのうす暗い店内で、小さくてカタカナだらけのメニューを表示している点、高齢者の便宜を無視しているとしか思えない。しかし、客は権威の前にあっさりと脱帽し、財布のひもを緩めてしまう。
いまマクドナルドに必要なのは、「客」の顔色をうかがって右顧左眄、右往左往することではなく、自分たちの信念を、自信を持って訴えることだと思う。失墜しかけている権威を持ち直させるには、それしかあるまい。
(文=横川潤/文教大学准教授、食評論家)
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