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燃費は良いが走り心地は悪い
一方、1997年に登場して、今日までシリーズ・パラレル型というシステムを変えていないトヨタのHVは、モーターで駆動する範囲が狭く、かつモーターの力はノート(80kW)の半分近く(45kW)と弱く、電池の容量がノート(1.5kWh)の半分近く(0.94kWh)なのでモーターだけで走れる距離が短い。さらにエンジンも駆動に参加するので、上記のレスポンスが悪い。
これは、ノートとアクアを乗り比べると、はっきりわかる。エンジンを持ち、その力で(間接的に)走るノートはEVではない。しかし、モーター駆動で走る点はEVと同じであり、そこがノートの最大の魅力となると、思わず「これはEV(と同じ)だ」と叫んでしまう気持ちも理解できる。
日産の巧妙な戦略とは
ところで、なぜ日産はノートをシリーズ型としたのか。効率からすればトヨタ式のシリーズ・パラレル型にすべきである。
おそらく理由は2つだ。ひとつは、トヨタのHVの特許に抵触せず、かつトヨタ式と違う個性を持たせたかったということだ。
もうひとつは、ガソリンがある限り電欠の心配のないノートで、安心してEVの走り味を楽しみ、ユーザーにその魅力に取りつかれていただいて、やがてリーフのような純EVのユーザーになってほしいという戦略だ。
もし、後者が理由だったとすれば、日産はなかなかの巧者である。
(文=舘内端/自動車評論家、日本EVクラブ代表)
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