2012~14年にかけては、若者たちがシェアハウスで生活する様子を放送したリアリティバラエティ番組『テラスハウス』(フジテレビ系)が話題を集め、シェアハウスは一躍脚光を浴びた。
「仕事の都合で急に東京に出ることになったので、家は初期費用のかからないシェアハウスを選びました」と語るのは、1年半前に上京、現在は2軒目のシェアハウスに住むAさん(20代女性)だ。当初は、落ち着いたらほかの物件に引っ越すことも考えていたため、2年契約などの制約がなく、すぐに退去できるシェアハウスに入居したという。
また、同じくシェアハウス住人のBさん(30代男性)は「ずっと東京で一人暮らしをしていたのですが、地方の実家に帰ることになったのです。その後、再び上京した時に、なんの準備もいらず、かばん一つで住めることが魅力で、シェアハウスに住み始めました」と語る。やはり、審査などがなく、契約書1枚で住めるシェアハウスは魅力的なようだ。
最近は、デザイナーズや女性専用の物件も登場しているシェアハウス。しかし、実際に住んでみると意外なトラブルも多いようだ。
「本当にいろいろな住人がいるので、中には怪しい雰囲気の人もいます。以前、ある宗教団体の信者が全国から集まり、うちのシェアハウスを宿舎代わりにしていたことがありました。その部屋は1人でも狭いくらいですが、その人たちは無理やり2人で使っていて、おそらく経費削減のためでしょう。みんな60代ぐらいの年輩で、早朝に出て行き、夜遅くに帰ってくるというサイクルを繰り返していました」(Bさん)
安く気軽に住めるシェアハウスだからこそ、怪しい住人が入居してしまうこともあるようだ。シェアハウス内ではセールス禁止だが、その怪しげな住人が水や、ごま味の謎のペーストを売ってきたこともあったという。宗教団体に勧誘されたり、無理やり売りつけられたわけではないものの、住人たちの間には警戒ムードが漂ったようだ。また、システムによっては、以下のような事態も発生する。
「知人から聞いた話ですが、住人の中にウェブサイトを運営している人がいて、自分の部屋にサーバを置いていたそうです。そのシェアハウスは、電気料金をフロアの住人で分割して支払うシステムだったのですが、各部屋の電気料金が月10万円を超えたため、驚いた住人たちの問い合わせが管理会社に殺到したようです」(Aさん)
その後、サーバを置いていた人物は逃げてしまったという。公共料金などの支払いシステムによっては、こういったトラブルにも気をつけたほうがよさそうだ。
包丁が盗まれ、隣の声が筒抜けに……
シェアハウスは基本的に、キッチンやシャワーなどの水回りが共同使用となっているが、以下のようなケースはシェアハウスならではといえる。