今年3月に東京・築地にオープンした、地域の魅力的な食文化をおむすびを通して発信する「ONAKA PECO PECO by るるぶキッチン」。昼はおむすびのテイクアウトをメインにし、夜はスタンドバー形式でオシャレな空間を提供するこのお店が、現在、新たな取り組みとして創業約100年の和歌山県の老舗「角濱ごまとうふ総本舗」と期間限定でコラボレーションしている。
ごま豆腐といえば精進料理としても知られているが、角濱ごまとうふ総本舗は年間200万人も訪れるという世界遺産・高野山の観光客向けに、豊かな自然由来の食材と伝統の製法で生み出した「ごまとうふ」を現地店舗で、そしておみやげとして提供している。
健康食ブームの中、モンドセレクションを11年連続で受賞し、日本らしい“スローフード”として注目を集める角濱の「ごまとうふ」の、いったい何がすごいのか。角濱ごまとうふ総本舗専務取締役の角濱巧治氏とタレントの山田菜々さんが、その魅力や熱い思いについて語り合った。
「ごまとうふ」白色の秘密と込められた願い
――そもそも、山田さんはごま豆腐を食べたことはありますか?
山田菜々さん(以下、山田) 豆腐は好きでよく食べるのですが、ごま豆腐はないかもしれないです……。スーパーなどには、あまり置いていないですよね?
角濱巧治氏(以下、角濱) そうなんですよ。スーパーなどで取り扱っている豆腐は、木綿豆腐、絹豆腐、玉子豆腐の順番で数が多く、ごま豆腐はあったとしても少しだけ。そのため、私どもとしては、ごま豆腐の販売スペースをもっと広くできないかという思いもあり、普及に努めているんです。
山田 これが、角濱の「ごまとうふ」ですね。あれ、ごま豆腐って色がついているイメージでしたが、普通の豆腐と同じで白いですね。
角濱 ごま豆腐のつくり方は2つあって、ひとつはごまを皮ごとすりつぶす方法です。ごまの種類には、黒ごま、白ごま、金ごまなどがありますが、色がついているのは皮の部分。だから、すりつぶして豆腐をつくれば色つきになるんです。我々の「ごまとうふ」は、一つひとつ皮をむいてつくっているので白くなるんです。
山田 なるほど! 真っ白でめっちゃきれい~。
――ごまは美容にいい印象もあるので、山田さんのような若い女性にとっては、そのあたりも気になるんじゃないですか?
山田 そうですね、気になります!
角濱 豆腐は大豆を濾してつくった豆乳ににがりを入れて固めるんですが、角濱の「ごまとうふ」は吉野葛で固めているんです。
山田 吉野葛……?
角濱 吉野葛は奈良県吉野産の上質な葛の根から取れる葛粉のことで、イソフラボンが豊富ですっごく美容にいいんですよ。それにごまが合わさるわけですから、健康と美容にはもってこいです。
観光客の方にとって、おみやげは“最後の高野山”だと考えています。そのため、添加物まみれの物をお渡しするわけにはいきません。「食」とは、「人」に「良」と書きます。食べて健康になって、また高野山に来ていただけるように。「ごまとうふ」には、そうした願いが込められています。