若年女子の7人に1人にセフレ?セックス離れする若年男子、年長者にも体を許す女子
たとえば、日本性教育協会が1974年から2011年まで計7回にわたって行った経年調査を見ると、
74年にはキスや性交の経験について、いずれも男子高生が女子高生を上回っていたが、81年には双方とも男女の経験率が逆転。その後、高校生段階の男女格差が顕著となり、11年では「キス経験」では、男子高生37%に対し女子高生44%、「セックス経験」では男子高生15%に対し女子高生24%と、男子は7~9%も女子に水をあけられた。
また、今回私たちが行った600人調査でも、「18歳までにセックスを初体験した割合」(20代独身)は、男性20%、女性24%となり、やはり女性のほうが上だった。その背後には、5~10歳以上も年上の男性に初体験を許す、女性たちの存在もあったのだ。
一方、男性の恋愛市場では、女性よりさらに衝撃的な事実も判明した。それが「初めての射精(精通)」を経験する割合の変化だ。
セックスを嫌悪する男性
先の日本性教育協会の、別の経年調査(11年)を見てみよう。ここで、男性が中学生のうちに「射精」を経験する割合は、99年には53%だったが年々減少に向かい、11年では36%にまで落ち込んだ。
セックスを嫌悪する若者も年々増え、いまや20代男性の5人に1人が、セックスを「汚らわしい」とのニュアンスで見ている。取材でも、「本気の恋愛相手とは、セックスみたいな汚いことをしなくても平気」だと話す男性が、何人もいた。
なぜこんなことが起こったのか。『恋愛しない若者たち』では、そのあたりを詳しく掘り下げているが、ここではひとつだけ紹介しよう。
「尾木ママ」こと、法政大学・キャリアデザイン学部教授の尾木直樹氏が挙げた、「ママ風呂男子」の存在だ。尾木ママいわく、「近年、親と10~20代男女の密着ぶりが顕著」で、「高校生や大学生の一部が、まだ親と一緒にお風呂に入っている」という。このことが、若い男性の性的欲求を封じ込めている可能性もある、と指摘しているのだ。
ただ、別の大きな要因は、9月25日付本連載記事『恋愛したくない若者たち!7割は恋人なし「面倒、デート疲れる…」』でもふれた、「近年のIT化や進んだバーチャルサービスによって『チラリズム』が失われた」こと、そして現代の「歪んだ男女平等」社会にあるだろう。