「こんな夫と結婚しなければよかった…」 妻が夫に幻滅するダントツの原因はこれだ!
9月30日、筆者の新刊『恋愛しない若者たち ~コンビニ化する性とコスパ化する結婚』(ディスカヴァー21)が出版された。テーマは「恋愛しなくても、結婚はできる!」。
ここ数年、20代男女から、「恋愛は面倒」「コスパに合わない」との声をよく聞く。一方で、9割の若者は言うのだ。「いつかは(恋愛)結婚したい」と。
この矛盾を解消するためには、「結婚に恋愛は要らない」と、いったんスパッと切り離して考えるしかない。それが本書を執筆したきっかけだった。
11月11日付の前回記事『若者既婚者の約半数が結婚前に同棲経験? 同棲に潜む意外なリスク』では、イマドキ男女の「同棲」事情について触れた。
女性にとって、「望まぬ妊娠リスク」もある同棲だが、支持する20代独身男女は85%と多い。ゆえに、「そろそろ日本でも、同棲婚容認に向けた法改正が必要ではないか」とも書いた。
一方で、同棲生活が恋愛特有のトキメキを奪うと考える男女もいる。だが、そもそも現実の「(結婚)生活」にトキメキは必要なのだろうか。
恋愛と結婚は「混ぜるなキケン」
多くの男女は「いつかは結婚したい」と言う時、そこに「恋愛結婚」をイメージしているだろう。だが、そもそも恋愛と結婚は相容れないもの、矛盾するものなのだ。
矛盾は、大きく分けて2つある。1つ目は、「生理的・科学的」な矛盾だ。
たとえば、筆者も『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)で何度か紹介した、アメリカの人類学者ヘレン・フィッシャー氏の有名な研究。彼女に一度対面取材したことがあるが、フィッシャー氏によると恋愛には主に2つのステージがあるという。
まず第1ステージでは、脳内で快楽を司るドーパミンが放出され、盲目的な恋愛、子づくり(セックス)へと向かわせる。ここでは、男女ともに異性を「性的魅力」で惹きつける必要もあるから、それぞれの体内では男性・女性ホルモンも活発につくられる。
だが、次の第2ステージで放出されるセロトニンやベータエンドルフィンは、癒し系の物質。恋愛初期のトキメキを抑え、落ち着いた生活や子育てに向かわせるホルモンだ。
実はこのステージで、男性の体内に、驚くべき変化が表れる。
それは、「子づくりを終え、子育てに向かう段階に入った」となった途端、男性の体内で男性ホルモンであるテストステロンが大きく減ってしまうのだ。逆に分泌されやすいのがプロラクチン。なんと、母乳を生成したり母性本能を引き起こすとされるホルモンが男性の体内でもつくられるのだ。
一般に女性は交際前の段階では、昨今はやりの「壁ドン」や「顎クイ」のように、多くが男性には男性らしさを求める。しかし、いざ結婚、子育てとなったとき、生理的・科学的に必要とされるのは男性らしさより母性だ。だからこそ、男性の体内でもプロラクチンが生成されたりする。つまり、恋愛初期にいくら男性らしい男性を求めて結婚しても、幸せな結婚生活や出産によって、夫は男性らしさを失ってしまうのである。