「こんな夫と結婚しなければよかった…」 妻が夫に幻滅するダントツの原因はこれだ!
さらに、女性誌「CREA」(文藝春秋)が11年に行った調査によると、25~39歳独身男性の9割以上が「未来の妻にも働いてほしい」と希望、結婚後の妻に「稼ぎ力」や「男子力」を求める男性も増えている様子が顕著になった。
一方の女性はというと、実はこちらも男性に稼ぎを求めるだけではない。
国立社会保障・人口問題研究所の11年の調査によると、「結婚相手(未来の夫)の『家事力』を重視する」と答えた18~34歳の未婚女性は62%。さらに驚くことに、これは「経済力を重視」との回答より、20ポイントも多い。
つまり現代の結婚では、夫には「女子力」、妻には「男子力」が必要とされているといえる。結婚前の恋愛段階で、いくら男性に「男性らしさ」を、女性に「女性らしさ」を求めても、結婚後にはあっという間に求める要素が逆転してしまう。実は、これが結婚後のパートナーへの不満にもつながっているのだ。
たとえば先日、筆者があるビジネス誌と行った調査でも、「生まれ変わっても今の夫と結婚したい」と答えた20~40代前半の既婚女性は、わずか4割強しかいなかった。逆に半数以上は、「別の男性がいい」と答えた。同じ調査で、「結婚生活で、夫に幻滅したこと」との問いに対するダントツの回答は「家事・育児において役に立たない」だった。つまり、結婚後に露呈した夫の女子力のなさが、妻に「こんな夫と結婚しなければよかった」と感じさせていたのだ。
連帯結婚の制度化の検討を
これらを鑑みても、恋愛と結婚は元来、相容れないどころか相反するもので、極端に言えば「混ぜるなキケン」なのである。
そんな今こそ恋愛結婚の幻想から解放され、もっと現実的な「連帯結婚」を目指すべきではないだろうか。
同時に大人たちも、そろそろ「男は稼いでなんぼ」「女は家事・育児ができて当然」といった旧来型の価値観を見直し、若者の連帯結婚を後押しする制度(同棲婚や事実婚などを受け入れる法整備、サポート体制など)を真剣に考えて実行すべき時期だろう(前回記事参照)。
なぜなら、「結婚は、恋愛結婚が当たり前」「若者は誰もが異性に惹かれて、恋愛、交際して結婚するもの」といった価値観は、昭和のほんの短い間だけに通用した“幻想”であり、すでにその賞味期限は切れてしまったのだから。
次回は、フリースタイルの結婚を後押ししない今の日本に焦れて、「もう夫はいらない。子どもだけ欲しい」と、極端な方向に向かってしまう、イマドキの女性たちのちょっと怖い実例をご紹介しよう。
(文=牛窪恵/マーケティングライター、世代・トレンド評論家、有限会社インフィニティ代表取締 編集=平澤トラサク/インフィニティ)