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この状態では、脂肪燃焼システムが体温維持についていけません。脂肪を燃やして体を温めながらも、または脂肪を燃やすことができないために、すこしでも熱を逃がさないようにして生命維持に必要な深部の体温を維持しています。こんなときは、やはり温かいものを食べて、熱いものを飲んで、そして産生した熱を保持する衣服、つまり手袋や厚手のソックス、マフラー、そして体温保持の下着などが重宝します。
結局、大切なことは、人はそれぞれで熱産生能力が高く、いくら寒くてもへっちゃらなひとには厚着や頻回の食事摂取は無用なのです。寒い冬に半ズボンで登校している小学生を目にしますね。そして外で遊ぶときなど半袖で気持ち良く元気にはしゃいでいる光景も目にします。元気な子供は、そんな薄着でも大丈夫なのです。そんな子は太っていませんね。そして本当に元気ですね。
一方で、甲状腺機能亢進症という病気は熱産生が病的に亢進しています。こんな人もまた寒くないのです。そしていくら食べても太りません。そんな病気のこともあります。つまり、甲状腺機能亢進症でもないいい年をした大人では、非常識君が言うように、「薄着をして、冷たいものを飲んで、そしてプールで泳ぐ」のはちょっと無理があるのです。
体の熱のバランスを保つシステムはどこかで守りに入ります。その守りに入るスイッチがどこかは個人差です。また、運動で脂肪を燃やしやすい体、また燃焼システムをずっとオンにする体はつくり上げることができます。脂肪燃焼システムが上手に稼働している人では、なかなかその生体防御システムがオンにならないということです。1日1食でも脂肪が燃やせれば、手足の血流を締めることが不要です。
しかし、通常1日1食はやはり辛いものです。食べないで脂肪の燃焼だけに頼ると、通常は体が寒くなります。冷たいものも冬に飲めばなおさら寒いのです。薄着ではブルブルします。必要最小限のエネルギーは3食毎に摂って、そして適度な運動でぼつぼつ痩せるのがやはり安心と思います。常識君の発言がやはり常識的です。
(文=新見正則/医学博士、医師)
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