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個人情報保護の壁によって、たとえ苗字の研究者であっても、消滅危機にある苗字のその後を知ることはできないのだ。渡辺氏によれば、苗字の存続を推し量るための頼みの綱は、電話帳しかないという。
「15年に総務省が発表した『通信利用動向調査』によると、固定電話を持っている世帯は全体の76.2%。そのうち電話帳に登録している世帯は、地域差があるものの、約45~70%といわれています。苗字に関する書籍やインターネット上で公開されている数字は、そのほとんどが電話帳に基づいたデータだと思って間違いないでしょう」(同)
世帯数が少ない苗字であるほど、より正確な数が電話帳に反映されるという。一方、「佐藤」や「鈴木」のような180万世帯前後の苗字の場合、数千人単位で誤差が生じている可能性もある。そのため、どうしてもアバウトな数字にならざるを得ないのだ。
「正確なデータが公表されていないということは、絶滅寸前の苗字がほかにもたくさんあるという可能性を示唆しています。『自分の苗字は珍しい』と自覚している人は、調べてみると、実は『絶滅寸前の苗字』であることが判明するかもしれませんよ」(同)
ちなみに、筆者の苗字は「中村」。約100万世帯あるそうなので、当分絶滅の心配はなさそうだ。
(文=中村未来/清談社)
【取材協力】
家系図作成代行センター株式会社
電話:0120-886-588
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