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射精が少ないと前立腺がんのリスク増?月21回以上の人はなりにくい?

文=編集部
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射精が少ないと前立腺がんのリスク増?月21回以上の人はなりにくい?の画像1「Thinkstock」より

 6月9日、歌舞伎俳優の市川海老蔵が妻の小林麻央が乳がんを患っていることを公表し、小林が33歳の若さで「進行性」のがんに罹患しているという事実が世間に衝撃を与えた。

 乳がんといえば、昨年には元女子プロレスラーでタレントの北斗晶が右乳房全摘出手術を受けたことで注目が集まり、さらに小林も患っていることが明らかになったことで、乳がん検診に申し込む女性が増加しているともいわれる。

 一方、男性特有のがんには前立腺がんがある。近年、前立腺がんは増加傾向にあるといい、2015年の国立がん研究センターの部位別罹患数予測では男性の最多となっている。では、前立腺がんとは、どのようなものなのだろうか。新潟大学名誉教授の岡田正彦氏に聞いた。

「まず、前立腺とはなんなのでしょうか。膀胱にたまった尿は尿道を通って排出されますが、その膀胱のすぐ下にあり、尿道を包むように位置しているのが前立腺です。

 前立腺には2つの役割があり、ひとつは精子を守るための分泌液をつくっていることで、両者が一緒になって精液となります。もうひとつは、射精の瞬間に収縮して精液が膀胱内に逆流するのを防ぐことです。つまり、前立腺は射精におおいに関わっているわけです。

 がんの多くは、その発生に喫煙、飲酒、肥満、食習慣などが強く関与していますが、不思議なことに、前立腺がんはそれらとの関係が希薄です。数年前、海外の研究者が『性生活と関係があるはず』と考え、結婚した時の年齢、子供の人数、離婚回数、性的パートナーの人数などとの関与を調べましたが、いずれも関係性は認められませんでした。

 2004年、アメリカのある研究者グループは『射精の回数と関係があるかもしれない』と考え、研究を開始しました。40~75歳の男性3万人ほどに協力を求めた大規模なもので、アンケートによる追跡調査が行われました。

 その方法はかなり念入りで、まず20代のころ、40代のころ、それに調査の直前1年間の3つの時点に分けて記憶をたどってもらい、1カ月当たりの射精回数を調べました。また、同時に健康状態についても質問し、特に前立腺がんに罹患したことのある人には詳細な聞き取りをしたということです。

 それによってわかったのは、非常に興味深い事実です。40代と直近の1年間に限り、月平均で『21回以上の射精をしていた人』は『4~7回だった人』にくらべて前立腺がんになる割合が少なく、6~7割に留まっていたのです。それ以外では、差異はありませんでした」(岡田氏)

BusinessJournal編集部

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