今回は、薬についての激論です。“極論君”は「ちょっと心配なら、どんどん薬を医者からもらう。そしてたくさんの薬を飲むことをまったく厭わない」という立場です。一方で、“非常識君”は「医療産業の手下である医者が出すような薬はまったく信用できない。だから、医者が薬をくれると言ってもまったく飲まないし、もらっても捨ててしまう」と豪語しています。
“常識君”がちょっと非常識君に口を挟みます。「どうせ薬を飲まないなら、そしてもらっても捨ててしまうなら、最初から医者のところに行かなければいいのに」と尋ねます。非常識君の意見は、「がんだったら困るから、医者に行って診てもらうのだ。がんでないとわかれば、それ以上の助言は聞かない。そしてがんであれば外科的な治療だけやってもらって、抗がん剤はお断り」という意見です。
常識君が、「では生活習慣病だったらどうするの?」と尋ねます。非常識君は次のように答えます。
「血圧がとんでもなく高い、たとえば収縮期圧が180とか拡張期圧が120とかであれば、必要最小限の薬は飲む。また糖尿病であれば、ヘモグロビンA1cが9以上であれば、必要最小限の薬は飲むかインスリンを使う。痛風も発作がなければ飲まない。脂質代謝異常の薬はどれも飲まない。風邪薬も飲まない」
一方で極論君は、次のような対応です。
「血圧は異常にならないように、収縮期圧は140未満になるように、そして拡張期圧は90未満になるように、しっかりと降圧剤を飲む。糖尿病の値も、ヘモグロビンA1cが6.5未満になるようにしっかりと糖尿病薬を飲む。痛風も尿酸値が7未満になるように薬を飲む。コレステロールも中性脂肪も正常値に収まるように薬を飲む。風邪でもどんどんと薬を飲む」
医者から離れたほうが健康には良い?
すると常識君がコメントします。
「生活習慣病は、まず食事制限や運動を行って、それでも検査結果が好転しないようであれば、内服薬を開始することが通常です」
そんな意見に非常識君がかみつきます。
「たくさんの友達に聞いても、そんな食事の指導や体によい運動を教えてくれる医師はごくまれで、多くの場合、すぐに薬を処方される。そして薬漬けになっている友達がたくさんいる。どの薬がどの症状に効いているのかもわからないまま多数の薬を内服している。そんな馬鹿なことはない。だからこそ、僕はそんな医者から離れたほうが健康には良いように思えるのだ」
常識君曰く、「確かに薬は両刃の剣です。素晴らしく効く薬には、当然ある種の副作用があるでしょう。だからこそ、薬は必要最小限がいいと思います」