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2012年12月、東京都調布市の市立小学校で、給食で出されたチーズ入りチヂミを食べた女子児童が死亡しました。女児には乳製品アレルギーがありましたが、チヂミにチーズが入っていたのを、学校側がそのまま、女子児童に出していました。学校給食では88年にも、札幌市で蕎麦アレルギーの小学生が死亡する事故がありました。
こうした事故を受けて文部科学省が13年に行った調査では、全公立小中高校の児童生徒の4.5%に当たる40万人余りが卵や牛乳、小麦などの食物にアレルギーがありました。これは、04年に行った調査の1.2倍に上っています。年々、食物アレルギーの子が増えているのです。もちろん子どもたちだけではなく、成人後、突然、食物アレルギーが出る人も目立っています。
食品添加物によるアレルギーも
それに伴い、アレルゲンとなる新たな原材料も判明してきました。食品添加物がそれです。
13年に開催された「日本アレルギー学会」において、国立病院機構相模原病院の医師や栄養士などの研究グループは、「食品添加物の人工甘味料でアレルギー症状が出ている」と、報告しました。エリスリトール、キシリトール、ステビア、サッカリン、ガラクトオリゴ糖、ソルビトール、アセスルファムKの人工甘味料にアレルギーが出ています。
また、12年に消費者庁は、「食品添加物のコチニール色素の摂取や化粧品の使用によって、急性アレルギー反応(アナフィラキシー)を起こす恐れがある」と、警告しています。
現在、食品添加物のアレルギー表示は行われていませんが、今後表示が行われることが望ましいといえるでしょう。
(文=郡司和夫/食品ジャーナリスト)
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