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2023.06.08 19:07
2016.11.23 00:11
新見正則「医療の極論、常識、非常識」
睡眠薬や精神安定剤、服用で認知症や強い依存症の危険…処方量が韓国の20倍の異常さ
一方で“非常識君”の意見です。
「日本はストレス社会で、抗不安薬や睡眠薬が必要な社会なのです。他の国と比べて使用量が多いといっても、必要な人はどんどんと使うべきだと思っています。不安を抱えたままで生きるよりも、そして睡眠不足で生きるよりも、しっかりと抗不安薬や睡眠薬を飲んでストレスを解消したほうが、患者さんのためです。必要な薬はどんどんと躊躇なく使用すべきです。
極論君が言います。
「イギリスにはアシュトンマニュアルといって、ベンゾジアゼピンから離脱するためのプロトコールが出ています。2012年には日本語訳も登場しました。それによるとベンゾジアゼピン系薬剤は、服用は2~4週間に限るべきで、それ以上の服用は無意味もしくは有害と記載されています。離脱方法は、簡単にいえば複数のベンゾジアゼピン系薬剤を一剤にして、それも長時間型の一剤にして、減量していく方法です。そんなマニュアルに頼って一生懸命離脱するよりも、最初から使用しないほうがいい」
“常識君”のコメントです。
「非常識君はベンゾジアゼピン系でも必要であれば、患者さんが希望すれば、どんどんと処方する作戦のようです。以前は確かにそうでした。そしてデパスやアモバンは90日の長期処方も可能でした。ベンゾジアゼピン系薬剤は『両刃の剣』と思って利用することが肝要と思います。簡単な気持ちで始めないことですね。そして不要になればさっさとやめましょう。だらだらと飲み続けることが何より体に悪いのです。だからこそ『向精神薬』扱いとなったのです」
これからは30日以下しか処方されません。毎月ベンゾジアゼピン系薬剤の効能と、危険な副作用、依存症などを主治医から聞かされれば、自ずと使用量は減ると思っていますし、それを期待しています。
(文=新見正則/医学博士、医師)
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