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このリン酸塩類は人体内の血液からカルシウムを取り去って沈殿させてしまいます。その結果、胃、腎臓、大動脈に石灰が結着し、さまざまな疾病を起こします。また、骨を弱くし、骨粗鬆症の原因にもなります。さらに、微量元素(ミネラル)の亜鉛を吸着して体外に出してしまい、味覚障害を引き起こすこともわかっています。コンビニ食品は、原材料表示をよく見て、「リン酸塩」の記載のないものを選ぶべきです。
注意しなければいけないのは、リン酸塩は記載されていなくても使用されている食品があることです。
リン酸塩、縮合リン酸塩は、1970年代から健康への悪影響について、多くの専門家から警鐘が鳴らされてきた化学合成添加物です。そのため、原材料表示にリン酸塩の記載があると購入を控える消費者が数多くいます。
そこで最近、食品業界でよく行われているのが「リン酸塩隠し」です。
手口は「調味料(アミノ酸等)」にリン酸塩を使うというものです。リン酸塩を使っていても「調味料(アミノ酸等)」の一括で表示できることが食品衛生法で定められています。通常、化学調味料のグルタミン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、リボヌクレオチドが併せて使われて「調味料(アミノ酸等)」になっていますが、これにリン酸塩を加えるわけです。
食品のpHを調整し、腐敗を防ぐ「pH調整剤」も、複数の添加物を使っても一括表示で済みます。これにもリン酸塩が加えられています。したがって、コンビニ食品を選ぶ際は、原材料名表示に「調味料(アミノ酸等)」「pH調整剤」が記載されていないものを選びましょう。
食品の原材料名表示の目的は、消費者に食品選択の情報を提供することです。しかし、これでは、なんのための原材料名表示かわかりません。添加物の一括表示は速やかに廃止すべきです。
(文=郡司和夫/食品ジャーナリスト)
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