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リストを有名無実化しないために私たちに何ができるか?
今回始まったホームページでの公表の仕組み。これからは月に一度、内容を更新する。一事案の公表機関は書類送検した日から約1年だが、期間中に違法状態を改善した企業の社名は削除するという。
労働局の官僚的な判断基準が、どこまで実際のブラック企業を適切にあぶり出せているものなのか。法律的な抜け穴をうまくすりぬけた企業を摘発することはできるのかなど、これからの課題も多そうだ。
また、リストの公表が、実際にどれだけ企業体質の改善につながるかも、現実点では未知数だ。
このリストを有名無実化しないために、我々ができることはあるだろうか? 一時的な注目に留めず、ブラック企業が<生まれる>背景にも注視していくすべきだろう。そこを解決していかなければ、この国のブラック企業風土を変えることはできないはずだ。
(文=里中高志)
里中高志(さとなか・たかし)
精神保健福祉士。フリージャーナリスト。1977年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。大正大学大学院宗教学専攻修了。精神保健福祉ジャーナリストとして『サイゾー』『新潮45』などで執筆。メンタルヘルスと宗教を得意分野とする。著書に精神障害者の就労の現状をルポした『精神障害者枠で働く』(中央法規出版)がある。
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