引退のイチローが“打てなくなった”原因…体に見えた老化の兆候
米大リーグのイチロー選手が3月21日、日本の東京ドームで行われたオークランド・アスレチックス対シアトル・マリナーズの開幕戦(2戦目)を最後に現役引退を宣言した。
イチロー選手は説明するまでもなく、高校卒業後に入団したオリックスでの9年間で大活躍した後、アメリカへ渡り、大リーガーとしても18年間、記録と記憶に残る大活躍をした。1年目には日本人として初めての首位打者、盗塁王に輝き、新人王にも選ばれた。その後は長い大リーグの歴史のなかで誰も成し得なかったシーズン「262」の最多安打、「10年連続200安打」のメジャー記録を打ち立てた。これまで大リーグで3089安打を放ち、「50歳まで現役でいたい」と常々口にされていたが、惜しくも45歳での引退となった。
日本での最終戦(2試合)においても「体力的には衰えてはいない」とおっしゃっていたようだが、私は、イチロー選手の体のある部分の衰えが、テレビ画面を通じてはっきりと見て取れた。
若い時に比べて「お尻の肉」が寂しいのである。若い時のイチロー選手のお尻は、外から見ても張りがあったが、最後の2戦で見たお尻には張りがなく、ユニホームとお尻の間にプカプカの空間があることが見て取れた。
昔から“老化は脚から”と言われる。年をとってくると、腰、尻、太ももの筋肉が細くなって、なんとなく下半身が寂しくなってくる。この状態を漢方医学では「腎虚」という。漢方での「腎」とは、西洋医学の腎臓はもちろん、アドレナリンやコルチゾールなど生命必須のホルモンを産生・分泌する副腎、生殖器を含め「生命力そのもの」をいう。つまり、腎虚とは老化現象のことであり、気力・体力の低下、性欲・生殖力の減衰、頻尿やこむら返りなどの症状をはじめ、腰から下の病気、前立腺肥大や前立腺がん、子宮や卵巣の病気なども発症しやすくなる。
よって腎虚に陥らないためには、ウォーキングやスクワットなどを励行して下半身の筋力低下を防ぐこと、そして下半身に相似する植物の根(根菜類)をしっかり食べること。つまりニラ、ニンニク、ネギ、玉ねぎ、ゴボウ、ニンジン、山芋などだ。昔の俗言に「ゴボウ5時間、ニンジン2時間、山芋たちまち」というのがある。こうした根菜類は、それほどの精力増強食という意味なのだ。