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「ウコンで二日酔い予防」効果はマユツバ?日本だけで広まる「都合のよい科学データ」

文=後藤典子
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【確認待ち】「ウコン=二日酔い予防」は日本だけ! 「都合の良い科学データ」が曖昧な根拠にの画像1「ウコン=二日酔い予防」を信じているのは日本人だけ!(depositphotos.com)

 ウコンといえば、まず思い浮かべるのが「二日酔い防止」効果だ。そのウコン効果を消費者に定着させたのが、「ウコンの力」のテレビCMだろう。最近は人気急上昇中のミュージシャンで俳優の星野源が登場し、「飲んで行こう!」というキャッチでアピールしている。

 ただ、この「ウコン=二日酔い予防効果」が訴えられているのは、どうやら日本だけらしい。ウコンの効果を示す論文は多いが、海外ではおおむね「消化促進」や「肝機能促進」の有効性が評価されていたり、インドのアーユルヴェーダ医学では関節炎の痛みの軽減や塗り薬として湿疹や傷の治療などに用いられてきた。

 海外にはそれらしい論拠やその用途での歴史がないのに、なぜ日本だけ「二日酔い予防効果」が周知されているのだろうか。

「都合の良い科学データ」を盾に取った曖昧さ

 それはまさに、売りたい企業の指針に見合った「都合のよい科学データ」を盾に取ったCMの効果にほかならない。そして「都合の良い科学データ」が打ち出せるのは、この業界の「科学」に正解がなく、どのように解釈しても、ある程度ゆるされる曖昧さがあるからだ。昨日までの見解が、今日、突然ひっくり返っていたりすることも往々にある。

 たとえば、最近「ウコン(クルクミン)に薬効はない」という論文が米国ミネソタ大学の研究チームから発表された。これまで「ウコンの含有成分のクルクミンが二日酔いに効く!」と謳われ、商品のパッケージにはクルクミンの含有量が明示されてきたが、この論文を評価するとすれば、「クルクミン効果は偽証なのか」との疑問があがる。

 かの研究チームの論文では、クルクミンは体内に吸収できない化合物であることや、反応性が高く、タンパク質に作用しているような見せかけの効果を表すことがあるというのだ。

 ところが、最近の商品パッケージをよく見ると、有効成分は「クルクミン」だけではない。「ビサクロン」と「ビタミンB群4種」が登場している。特にビサクロンの「二日酔い改善作用」と「肝障害抑制作用」は「ヒトを模した試験において科学的データがある」と、そのデータを一般消費者にもわかりやすいグラフやイラストにしてウェブサイトに掲載している。

 当該サイトによると、2013年9月に発見されたとされているが、はたしてこの新規成分の効果の確かさは、どれほどの客観的評価を得ているのだろうか。

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