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「痴漢冤罪保険」への加入者が急増!逃げるは「策」だが「死」を招く?

文=ヘルスプレス編集部
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通称「痴漢冤罪保険」の加入者が増加! 逃げるは「策」だが「死」を招く!?の画像1痴漢冤罪事件は保険特典に頼るしか策はないのか……(depositphotos.com)

 タクシーに乗車すると時折、「お客様の大きな荷物の忘れ物です」とか「忘れ物は無線室で保管しています」などの無線アナウンスが流れることがある。これは、大きな事件の発生や犯人の逃走を伝える業界の「隠語」だ。その後に人物の特徴をアナウンスするのは、そのためである。

 転じて、鉄道を利用している際、「人身事故の影響」や「信号機(や車輛)の故障」ではなく、「お客様が線路内に侵入したため」云々という遅延説明のアナウンスを耳にする機会が、いつの頃から増えてきた。

 あれも当初は「なぜ線路内に入る必要があるのか」とか「しかも最近、やたらと多くないか」と疑問に感じたものだが、それこそ「最近」は、その謎が一気に解けたようなご時世である。

 5月11日の午前7時45分ごろ、女子高生から痴漢を疑われた男性(推定20代後半~30代)がJR新橋駅の京浜東北線ホームから線路に飛び降りて、JR浜松町方面に逃走する事件が起きた。

 次いで日付が変わった12日の0時45分ごろ、やはり京浜東北線車内で30代女性とトラブルになった40代男性会社員が上野駅で降車後、駅員に引き渡されたが約30分後にスキを見て突然逃走した。通報を受けた警察官が周囲を捜索した結果、近くの雑居ビルから転落したとみられる状況で発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。

 また15日には、東急田園都市線・青葉台駅で、痴漢の疑いをかけられた男性が線路に飛び降り、入ってきた電車にはねられて死亡した。

 連続して起きた「電車内痴漢嫌疑事件」は、いずれも真相は判然とせず、各顛末が違うものの、今年3月以降続出している鉄道絡みの痴漢案件を象徴している出来事だった。

痴漢冤罪の対処法は「逃走」よりも「保険」へ

 事実、これらの報道を触れて、どういう「お客様」が、いかなる事情から「線路内に侵入した」のかを納得した方も少なくないだろう。仮に濡れ衣だとしても、警察が介入した途端、冤罪事件へと発展する可能性は濃厚で、精神的・社会的に被疑者が失う代償はあまりにも大きい。

 そこで、いつの頃からか囁かれ出したのが「逃走得策論」とでも呼ぶべき都市伝説であり、ある時期のワイドショー内では弁護士コメンテーターが、それを半ば推奨していた例もあった。

 昨秋、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)がヒットしたが、確かに逃げたほうがいいと表わしたくなるほど、痴漢冤罪事件で被疑者側が勝訴するのは難しい。

 最近の「痴漢冤罪保険」加入者急増という現象も、そんなご時世を見事に映し出しているニッチな開発商品の話題だろう。

 この「痴漢冤罪保険」とは、万が一、痴漢の疑いがかけられた際にスマートフォンなどで通報すれば、全国各地に点在する提携弁護士陣に一斉緊急メールが届き、最寄りの弁護士が駆けつけたり電話相談に応じてくれるというもの。

 ジャパン少額短期保険が2015年9月から始めた特典で「痴漢冤罪ヘルプコール」が正式名称だ。本来は交通事故時などの弁護士への相談費用を補償する保険(年6400円)のいわば「オマケ」だが、最近はむしろ、こちらの特典目当てでの加入者が増えているというのだ。

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