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夫婦仲の悪化が「健康」だけでなく「社会」も壊す?
「夫婦間の不仲が健康被害を生む」という知見は、従来から枚挙にいとまがない。米国のブリム・ヤング大学の研究でも、関係良好な夫妻は独身者に比べて血圧が低いが、結婚生活への満足度が低い夫妻では逆に血圧が高くなる傾向が示されている。
また、英国の9000人以上の公務員を対象に、夫婦や友人など親密な4タイプの人間関係と心臓病の関連を調べた解析結果でも、伴侶との間で「対立がある」と回答した層の3割以上に心血管リスク因子の増加が読み取れた。
やはり夫婦関係と心臓病の関係を追っている米国ユタ大学発の研究報告によれば、結婚生活が「決してうまくはいっていない」と自己申告する妻たちの場合、メタボリックシンドロームのリスクが増加する可能性が否めないとしている。
もちろん、心血管リスク因子にはさまざまな要因が影響している。夫婦関係との関連を追及したブリトン氏らの新たな知見も、その因果関係を証明するものではない。
「結婚と健康との間には明白な関係性がある――。その点については多くの研究で示されてきたが、単に『健康で裕福な人』のほうが、条件的に結婚しやすいために良好な現象が生じているのか。あるいは、『結婚そのもの』がお互いの保護効果を有するものなのか、それは現在でも明らかではない」(ブリトン氏)
いずれにしても、今回判明した夫婦関係の経年変化が及ぼす影響について、同氏はこのように語る。
「(数値上の微差は)個人にとっては小さいものだろうが、社会全体でみればかなり大きなものと考えられるだろう」
ともあれ、あなた個人にとっての問題は、今回の記事中のどの高低値に「ある、ある!」と首肯したのかという点だろう。
(文=ヘルスプレス編集部)
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