もしあなたのお子さんが、インターネットで出会った相手と付き合っていたら、どう思うだろうか。ようやく結婚してくれそうだ、と喜びつつも「それ大丈夫?」と聞いてしまいたくなる親御さんも多いのではないだろうか?
実はネットで男女が出会うことは、いまや「普通の婚活」となっている。結婚雑誌「ゼクシィ」の発行元であるリクルートの調査によれば、2015年から16年の間で、婚活アプリを経由した出会いはわずか1年で倍増。婚活サービスを経由した成婚は、全体の1割に上る。これは合コンでの出会いとほぼ同じ比率となる。
かつては“いかがわしい”とみられていたネットでの出会いも、いまや婚活における普通の選択肢となったのだ。
なぜ、結婚相談所ではなくアプリなのか?
だが、婚活サービス自体は昔から存在していた。たとえば結婚相談所だ。かつては親がお相手の写真を準備し、お見合いへ至るのも普通だった。恋愛結婚でなくてもよいならば、一番に取るべき選択にも見える。だが、なぜ今の20代はよりリスクのありそうなネットでの出会いを優先するのだろうか。
その理由は3つある。まず、賃金格差だ。会社員の年収推移を見ていくと、1997年には467万円あった平均年収は、2014年に415万円まで落ち込んでいる。手取りで300万円台となる年収では、数十万円以上にもなる結婚相談所の費用を捻出するのは難しい。
その点、アプリは全体的に低価格だ。業界最大手のPairsでは、最大でも月額3,480円で婚活を継続できる。数十万円以上の結婚相談所とは比較にならない。
使い勝手はアプリが楽勝
次に、使い勝手の楽さである。お見合いとなれば何日も前から予定を調整し、フォーマルウェアを身にまとって、きちんとした場所へ赴かねばならない。親や仲人までついてくるとなれば、スケジュール調整だけでも大ごとだ。
だが、アプリなら気になった相手へメッセージを送るだけでデートの調整が始まる。年収や住んでいる地域など、外せない条件がある人も簡単に検索できる。そうなれば結婚相談所との差は「アドバイザーとなる仲人さんがいるか・いないか」だけであろう。