あるメンズクリニックのサイトを紹介した文章に「朝立ちがない? それってもしかしてLOH症候群?」という内容がありました。その文言をクリックし、メンズクリニックのサイトに飛ぶと、「40歳を過ぎた男性に男性更年期障害(LOH症候群)の患者が増えており、原因は『男性ホルモンの減少』にある」ということが詳しく書かれていました。
「更年期障害」といえば女性特有のものだと思っていた私は、初めて男性にも更年期障害があることを知りました。そして、典型的な症状として「若い頃のように元気が出ない」「疲れやすい」「やる気が出ない」「イライラしやすい」「朝立ちがない」などが挙げられており、私にすべて当てはまっていたのです。特に、健常な男性のバロメーターともいえる朝立ちに関しては、体調不良が始まってから「ただの一度も」ありませんでした。
実は、妻も男性に更年期障害があることは知らなかったようでした。それでも、検査を受けようか悩む私に「ダメもとでいいじゃない」と背中を押してくれたのは、今思うと大変幸運なことでした。
メンズクリニックの検査結果では、血液中の遊離型テストステロン(男性ホルモン)の値が3.5pg/mlしかなく、治療の基準である8.5pg/mlを大きく下回っていることがわかりました。確かに、男性ホルモンの値は低かったようですが、それが本当に体調不良の原因かどうかはまだわかりません。
男性ホルモン注射、3回目で劇的な効果が
治療は男性ホルモン(エナント酸テストステロン)を体内に注射で注入する方法で行われます。男性ホルモンの投与によって前立腺肥大を悪化させる可能性があることから、事前に血液検査やエコー検査で前立腺に異常がないことがチェックされます。私の場合、特に異常がないことがわかり、月に1回、125mgのテストステロン注射が開始されました。具体的には臀部(お尻)に注射針を刺し、いわゆる筋肉注射として投与されます。投与される液体は小指の先ほどのほんの微量で、本当に効くのかどうかは半信半疑でした。
投与して1カ月目は、体調にまったく変化はありませんでした。医師からは「早い人で2回ぐらいの注射で効果が出るが、遅いと半年以上はかかります」と言われていたこともあり、毎月しばらく継続して打ち続けようと思っていました。費用は意外に安く、保険適用だったため、1回の注射は2000円程度だったと記憶しています。翌月、2回目の注射を打った頃から、なんとなくですが体のだるさがやわらいだ気がしてきました。