10月31日より大手通販サイトのAmazon(アマゾン)が、「通常配送」選択でポイントをプレゼントするキャンペーンをスタート。これがインターネット上で「Amazonゆっくりでいいよ便」と話題になり、利用者からも「これは良い試みだね」「配送業者の負担減につながりそう」と歓迎の声が上がっているようだ。
キャンペーンはプライム会員限定で、期間は11月4日日曜日1時59分まで。キャンペーンページを閲覧した状態で決済時に「通常配送 無料」を選択すると、「Amazonポイント」30ポイントが12月中旬ごろまでに付与される。なお、キャンペーン対象は「Amazon.co.jp」が発送する商品となり、Amazonマーケットプレイス出品者が販売・発送する商品などは対象外。
アマゾンで設定されている、いち早く商品が届けられる有料配送オプションの「当日お急ぎ便」と「お急ぎ便」。プライム会員の場合は、これらの配送オプションが無料で選択できる仕組みだ。購入者にとっては時間をかけず商品を手にできるものの、以前から「配送業者の負担になるのでは?」といったデメリットも指摘されていた。
近年はインターネット通販利用者の爆発的増加にともない、配送荷物量も増加。配送業者・運送ドライバーからは悲鳴が上がり、2013年には運賃交渉の決裂で佐川急便がアマゾンの配達から撤退したことも大きな話題となった。このあおりを受けることになったのが、佐川急便のライバルであるヤマト運輸。好機につながるどころか、配送現場がますます逼迫する事態となり、2017年度をもってアマゾンの当日配送から撤退している。
そうした背景もあり、今回のキャンペーンを好意的に捉えている利用者が多い様子。ネット上には「欲しい商品でも別に急ぐ必要なんてないと思ってたから全然アリ」「通常配送の選択だけでポイントがもらえるなんてめっちゃ良いじゃん」「利用者はポイントがもらえてドライバーは負担が軽減する。これこそウィンウィンの関係」といった声が相次いでいる。
一方で、アマゾンが通常配送の選択を促すキャンペーンに踏み切ったことで、「それぐらい配送業界がパンク状態ってことなんじゃない?」「精神的な負担は減るけど荷物量自体は変わらないから結局は大変なんだろうな」といった声が。コストや賃金の見直しなど、アマゾンと配送業者が足並みを揃えない限り、抜本的な解決には至らないのかもしれない。
(文=編集部)