消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
今回の月への有人飛行が困難を極めている点を見ていて感じるのは、技術伝承と永続性を考慮した技術開発の重要性です。1969年、確かに人類は月に降り立ちました。高度なコンピュータもない時代に、です。それが、なぜ21世紀の今、こんなに苦労しているのか。それは、当時の宇宙開発が米ソの冷戦に勝つことを唯一の目的として行われ、その先に商業化をまったく見据えていなかったことが原因だと考えられます。
今では人類が月に行ったことなど夢まぼろしのようですが、今回新たに開発される技術は永続性を持ち、よりローコストでより安全なシステムの開発につながっていってほしいと思います。
宇宙旅行ビジネスは創成期にあり、多くの企業が参入を続けていますし、日本メーカーも独自の素材力で宇宙材料の開発に余念がありません。その市場規模は17年で40兆円、40年代には100兆円になるとされています。
今回の月旅行については、「売名行為だ」「月上空を往復するだけで旅行とはいわない」などといった否定的な意見も目立ちますが、人類が約50年ぶりに地球の双子星である月に到達し、「肉眼で月を見てくる」「21世紀の感性で、その印象を世界中の人に伝えてくれる」という点には大きな価値があると思うのです。
(文=中西貴之/宇部興産株式会社 品質統括部)
『宇宙と地球を視る人工衛星100 スプートニク1号からひまわり、ハッブル、WMAP、スターダスト、はやぶさ、みちびきまで』 地球の軌道上には、世界各国から打ち上げられた人工衛星が周回し、私たちの生活に必要なデータや、宇宙の謎の解明に務めています。本書は、いまや人類の未来に欠かせない存在となったこれら人工衛星について、歴史から各機種の役割、ミッション状況などを解説したものです。
Business news pick up
RANKING
23:30更新関連記事
2024.06.26 17:00
2024.06.19 16:35
2024.03.17 17:30
2024.02.27 09:34