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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

私が「サラダ油は摂ってはいけない」と言う理由…亜麻仁油=オメガ3脂肪酸を摂りなさい!

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

 エイコサノイドが体内に存在することはずいぶんと昔から考えられてはいましたが、なかなか確認ができませんでした。それは、確かにあることはあるのですが、その働きを終えると消えてしまうという特徴があるため、高度な技術を駆使しなければ確認できなかったからです。

 近年に至ってようやく、その存在が確認され、エイコサノイドの実態も解明されることになりました。そしてわかったことは、エイコサノイドには種類が大きく分けて2つあり、そのうちのひとつが炎症系のエイコサノイドで、もうひとつは非炎症系エイコサノイド(抗炎症系エイコサノイド)であるということでした。

 このどちらも、私たちの体には必要です。だからこそ、体がつくり出しているわけです。つまり、私たちの体は傷を負ったり、細菌やウイルスが体内に侵入しようとした時には、炎症を起こします。そうして体を守ろうとするわけですが、もし炎症を起こすことができなかったら、傷はいつまでもふさがらず、細菌やウイルスの侵入を許してしまうことになり、それは生命の存続を危険に晒すことにもなりかねません。だから、炎症系のエイコサノイドが必要なのです。

 一方で、その炎症がいつまでも続いてしまったのでは、また別の生命の危機になってしまうわけで、その炎症を抑えるためにも非炎症エイコサノイドが必要になります。そして重要なのは、現代人は食生活の乱れや偏りによって、体内に痛みを伴わない炎症、腫脹や発赤などを起こさない炎症を抱えている、ということです。その代表が肥満であり、糖尿病です。これらの身体症状には、またほとんどすべての生活習慣病と呼ばれる疾病の背後には、炎症という病理が深くかかわっているのです。

 炎症系エイコサノイドをつくり出しているのはアラキドン酸という脂肪酸ですが、これを多く含んでいるのが動物の肉です。そしてもうひとつ考えなければならないのは、そのアラキドン酸はオメガ6脂肪酸(リノール酸)が体内で代謝されることによってもつくり出されるということです。

サラダ油が炎症の元に

 ここで、皆さんご自身の食生活を振り返ってみてください。この連載をずっと読んでくださっている方々は、筆者が「お肉は全食事量の10%以下でいい」「サラダ油は使うな、買うな、食べるな」「亜麻仁油をせっせと食べろ」などと述べてきたことをご存じでしょう。その背景に、前述したことなどもあるわけです。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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