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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

私が「サラダ油は摂ってはいけない」と言う理由…亜麻仁油=オメガ3脂肪酸を摂りなさい!

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

 最近、この連載を読むようになった方々や、筆者の言っていることを世迷言くらいにしか認識していなかった方は、ご自分の食生活を振り返ると、炎症系のエイコサノイドをつくり出す脂肪酸ばかりを食べていたことにお気づきになるのではないでしょうか。

 通常、油は原材料となっているものが名称の一部になります。亜麻仁油だったら亜麻の仁(種のこと)が原材料ですし、ごま油だったらごまです。オリーブオイルはオリーブですし、菜種油は菜種ですよね。では、サラダ油は何が原材料でしょうか。サラダ油はその原材料を示していないのです。その原材料は、多くは大豆、コーンなどの安価な穀物です。それも、ほぼ100%、遺伝子組み換えによってつくられた原材料によってできています。遺伝子組み換え作物の是非は、今回のテーマではないので語りませんが、筆者は圧倒的に反対です。

 今回、問題点として取り上げたいのは、このサラダ油の主体がオメガ6脂肪酸(リノール酸)である、ということです。これを多食していると、体の中には炎症系のエイコサノイドが多くつくられることになり、体が炎症体質になってしまうということなのです。

 ただし、オメガ6脂肪酸は代謝されて一部が、ジホモ・ガンマリノレン酸というものとなり、それが非炎症系のエイコサノイドもつくり出しています。

 要するに、私たちは摂取する脂肪酸のことを考え、正しいバランスで脂肪酸を摂らなければ健康を維持することはできない、ということなのです。その正しいバランスがオメガ3脂肪酸1に対して、オメガ6脂肪酸を4くらいというのが、最新の栄養学の見解です。そして筆者も、経験則に基づいて、この比率は正しいと思っています。

 オメガ3脂肪酸には欠点もあります。それは酸化しやすいということです。たとえば亜麻仁油であれば、冷蔵庫で保存しても1カ月ほどで劣化してしまいます。だからなるべく早く食べるべきなのですが、その酸化のことだけをとらえて、亜麻仁油は食べないほうがいいなどと主張する人もいます。

 もっとも愚かなのは、酸化を恐れて、必須栄養素であるオメガ3脂肪酸を摂取しないことです。それは健康のレベルを落とすこととなり、ひいては生命の危機にもつながりかねません。亜麻仁油をはじめとするオメガ3脂肪酸を多く含んだオイルは、管理を徹底し、封を切ったらなるべく早く食べ切るということを心がければよいのです。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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