ちょっとした休憩から軽食まで、気軽に利用できる大手カフェチェーン「スターバックス コーヒー」。2020年度はコロナ禍の影響を受け赤字に転落するも、積極的に新規出店を続け、21年3月時点では業界2位のドトールと500店以上の差をつけるなど、底力を見せつけている。21年9月末時点で1685店舗も擁しているのだ。
21年6月に開催されたオンライン事業説明会では、時代に即したリモートワークを活用することで本社の業務の一部を別地域に移すことや、22年春からは高校生のアルバイト採用を開始するといった発表もなされた。リクルート面での制度改革など、さらなる企業拡大を図ろうとする動きには注目が集まっている。
だが、アメリカから日本に進出しておよそ四半世紀が経っているスタバは、経験則を活かしさまざまな商品を打ち出しているが、なかには「う~ん……」と首を傾げてしまうメニューも存在している。今回はそんな、買う人によっては要注意な商品5つご紹介しよう(価格は税込み)。
ほうじ茶 & クラシックティー ラテ/[ショートサイズ]462円
21年6月に登場した「ほうじ茶 & クラシックティー ラテ」は、ほうじ茶と紅茶という2種類の茶葉、そしてホワイトモカクリームのマッチングが楽しめる一品。日本限定発売で、「ほうじ茶」という日本人に馴染み深いフレーバーを扱った商品なのだが、SNS上ではこの組み合わせが口に合わないという意見もちらほらある様子。
口に含んでみると、どこか味がぼんやりしている印象。少しマドラーで混ぜてみたが、それでもほうじ茶と牛乳の風味はうまく合わさっていないように感じた。また、過剰気味な甘さも気になるところだ。人によっては、飲み進めていくうちに胸焼けしてしまうかも……と思わせるこの甘さは賛否両論も納得だ。
牛乳とほうじ茶のマッチングが人を選ぶことと、喉が渇くほどの甘さはまさに要注意なので、メニュー選びであまり冒険したくない人にはおすすめしづらい。だが、意外な組み合わせのフレーバーに興味があり、かつ甘党という方にとっては、クセになる一杯かもしれない。
ココア/[ショートサイズ]429円
寒い時期、やさしい甘みで冷えた体をポカポカと温めてくれるココア。冬の風物詩的なドリンクだが、スタバにも定番ビバレッジとしての取り扱いがある。クラシカルなメニューなので安定したおいしさと予想する人も多いだろうが、ネット上にはそのおいしさを疑問視する声も上がっている。
チョコレートソースとホットミルクで作られているのがポイントということで、期待しつつ実飲してみたのだが、カカオの風味が強すぎて、ミルクとうまく混ざり合っていない印象を受けた。マドラーで混ぜながら飲んだのだが、それでも飲み干す際にはコップの底の方に濃いチョコレートソースが残ってしまっていた。
ビターかつ濃厚なチョコレートの風味が好きという方にはいいだろうが、定番商品でありながらクセが強めなので、頼んでみてちょっと面食らう人も多いのではないだろうか。また、ショートサイズのココア1杯で500円近くするので、コスパ的に戸惑うのも気になるところだ。
チョコレートチャンククッキー/209円
スタバの定番商品「チョコレートチャンククッキー」。以前はケーキ系のフードと同様にケースに入れられ販売されていたが、最近は個包装での販売となっている。コーヒーのお供として、クッキー系のメニューは総じて優秀な印象のあるスタバだが、この商品は賛否両論のようだ……。
一口食べてみると、その食感に何か覚えがあった。しっとりとしたクッキー生地の食感は、不二家の有名なお菓子「カントリーマアム」と瓜二つだったのである。実際、製造元を調べると「不二家」の文字が記されていた。
もちろん、やわらかな食感のクッキーに目がないという人にとっては、ボリューム感もたっぷりなので、食べた後の満足感などは「カントリーマアム」を上回る部分もあることだろう。しかし、パリッとした食感を求めている人にとってこの大きさは、一口サイズの「カントリーマアム」以上の難敵と言えるのかもしれない。
シナモンロール/297円
20年3月にリニューアル販売された「シナモンロール」。こちらの商品、実は20年7月掲載の記事でも“要注意”メニューとしてご紹介している。当時はリニューアル直後ということもあり、以前のシナモンロールより小さくなってしまったことを残念に思う声が多く見受けられた。今回もその小ささ、そして他の点でも気になる部分が大きかったので、また選出させていただいた。
すっかり定番化した新・シナモンロールだが、クリームチーズのフォンダンがかなりベタベタするので、食べる際はフォークが必須。口周りにこれが付かないよう気を付けなければいけないので、コーヒー片手に……といったスタイルで楽しむには微妙だ。
さらに、今回新たに気になったのはシナモンの風味の弱さ。シナモンロールと名を打つのならば、もう少し際立った香りがあっていい印象を受けた。ただ、「温めて食べると風味が増す」という声をネット上で見かけたので、半分は加熱して試食。なるほど、確かに心なしか香りが増したようで、常温時よりはおいしくいただくことができた。店舗で召し上がる際には、ぜひ加熱をお願いしてみてほしい。
ピスタチオクリームケーキ/528円
少し前からスイーツ業界で流行し始めた「ピスタチオ」フレーバー。トレンドを意識することに長けたスタバも例に漏れず、このピスタチオフレーバー商品を打ち出してきたが、スタバファンからはそのフレーバーの弱さを指摘する声も多い。
マドレーヌのようなスポンジ生地の上に乗ったクリームは、ピスタチオペーストとホイップクリームを混ぜたものだと紹介されている。実食してみたところ、正直言ってほとんどピスタチオの味わいが感じられなかった。普通のクリームにピスタチオが散りばめられているだけ、と言われても納得してしまうほど、ピスタチオの独特な風味が希薄なのだ。
らせん状に巻かれたクリームの盛り付けはきれいで、ビジュアル的には申し分ないため、余計にこのピスタチオ風味の弱さが残念に思えてしまった。味自体は悪くないので、今後リニューアルすることがあれば“ピスタチオ度”を上げてもらいたいと願うばかりだ。
――こだわりを追求することに定評のあるスタバ。しかし、期待を持って試したときに、どこか“あと一歩”だと感じてしまう商品もあるのも事実だ。だが、そうした商品も、スタバならではの「カスタム」を利用して、好みや気分に合わせて調節することもできるので、本記事を参考に納得のおいしさを追求してみてほしい。
※情報は2021年12月17日現在のものです。