婚活が長引くのは「人生設計」の甘さから
たとえば、こんな婚活パーティの会話があった。
男性「どういう感じの結婚をしたいとか、ありますか」
女性「家族で休みに公園で遊べる家庭っていいなって思います。タワマンならパーティールームがありますし」
男性「あ、そういう感じなんですね……(この人、僕の年収でタワマンに住めると思っているんだろうか? それとも無理して住めってこと? 結婚生活への想像力がなさすぎて、怖い)」
あるいは、こういう事例もある。
女性「結婚後のイメージってどんな感じですか?」
男性「うーん、定年までは仕事に集中したいけど、リタイアしてからは海外移住なんかもいいなって思いますね。共働きなら資産もつくれそうだし」
女性「はあ……(2馬力だけど自分は仕事に集中したいって、家事や育児はやる気ないのかな。それでいて働けってことかな。それに“リタイアしたら海外”って、同時期に親の介護がくるって認識ないのかしら。リアリティのなさが怖い)」
このような、ふわふわした人生設計を披露すると、婚活では困惑を超えて、恐怖心を抱かせてしまう。まるで結婚を現実のものとしてとらえているように見えないからだ。しかもリアリティのない人生設計は、えてして「伴侶に犠牲を強いる」妄想になりやすい。
理想の夫がいれば、自分は専業主婦で、週末は家族でバーベキュー、自宅はタワマン、子どもは私立で……という妄想は、男性へ「仕事も、家事・育児も」背負わせている。男性が妄想する「共働きで家事・育児をしてくれる妻」も同じだ。いずれもお見合いの相手にはメリットがない。
本人は決して「搾取してやろう」「死ぬまでこき使ってやろう」という悪意でこんな結婚を想定しているのではない。ただ、理想の結婚生活の妄想が、ふわふわしすぎて現実に即していないだけである。だが、それに気づくまで5年、10年も婚活に時間を費やすケースが散見される。冒頭で申し上げたとおり、婚活では年齢とともにオファーが減る。その時間は、あまりにもったいない。
婚活が1年以上長引いたら、FPへ相談しよう
自分の結婚像がふわふわしていないか――。点検すべきタイミングは、婚活を始めて1年後。もしその段階で特定のパートナーが見つからないなら、人生設計を現実に即してつくってみよう。人生設計は結婚相談所か、ファイナンシャルプランナー(FP)へ相談すると一気に話がまとまりやすい。
自分に適した婚活サービスを探し、自分が受ける恋愛市場を探すというのは、確かにそれも戦略上大切かもしれない。だがそれ以上に、自分がそもそも結婚したいのか、なぜしたいのか。そしてどういう伴侶との人生がいいのか。地に足の着いた人生設計を欠くと、婚活は不用意に長引く可能性がある。
(文=トイアンナ/ライター)