ビジネスジャーナル > ライフニュース > 子が親より早く死ぬ事例、なぜ増加?  > 2ページ目
NEW
石原結實「医療の常識を疑え!病気にならないための生き方」

子が親より早く死ぬ事例、なぜ増えているのか…平均寿命短縮化で老後2千万円も不要?

文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

 よって、「今、100歳前後の長寿者がたくさんいらっしゃる半面、55歳以下でがんで亡くなる例が増えている要因をひとつ挙げよ」といわれたら、「空腹を経験したかどうか」を躊躇なくあげたい。

 今の若者たちはお腹が空いたらいつでも食べられる環境にあるのに、十分に歩かない、肉体労働もしない。その結果が40歳以上の人々は「高」脂血症、「高」血糖、「高」体重など「高」のつく“食べすぎ病”=メタボリックシンドローム、運動不足病に陥っているのである。よって、「長寿遺伝子」など働かず、10~20年後には平均寿命が短くなってくることが予測される。

「55歳以下の若者」のがん死

 1975(昭和50)年の医師数が約13万、がん死者数も同数の約13万人。その後、医師は増え続け、今や32万、その間、がんに対する研究、治療法も格段に進歩したとされるのに、去年(2018年)のがん死者数は約38万人。これからもがん死者数は増え続けると試算されている。しかも「55歳以下の若者」のがん死が。

 こう考えてくると「人生100年時代」など夢のまた夢で、到来するはずはない。今、問題になっている「公的年金以外の老後資金が2000万円必要」などの報告に大騒ぎする必要などないのである。

 おそらく今が平均寿命のピーク近くにあると考えられるが、日本の人口1億2642万人のうち、65歳以上の高齢者人口は3557万人(18年9月15日時点)で、90歳以上の人々となるとその6.2%で219万人、95歳以上では、男性は約9万人、女性は約42万人と激減する。

 あくまで私見だが、平均寿命は短くなっていくと予測されるので、「人生100年時代」になり「老後資金が2000万円必要」ということには、ならないと思うが……。
(文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士)

子が親より早く死ぬ事例、なぜ増えているのか…平均寿命短縮化で老後2千万円も不要?の画像2

石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

1948年長崎市生まれ。長崎大学医学部を卒業後、血液内科を専攻。「白血球の働きと食物・運動の関係」について研究し、同大学大学院博士課程修了。スイスの自然療法病院B・ベンナー・クリニックや、モスクワの断食療法病院でガンをはじめとする種々の病気、自然療法を勉強。コーカサス地方(ジョージア共和国)の長寿村にも長寿食の研究に5回赴く。現在は東京で漢方薬処方をするクリニックを開く傍ら、伊豆で健康増進を目的とする保養所、ヒポクラティック・サナトリウムを運営。著書はベストセラーとなった『生姜力』(主婦と生活社)、『「食べない」健康法』(PHP文庫)、『「体を温める」と病気は必ず治る』(三笠書房)、石原慎太郎氏との共著『老いを生きる自信』(PHP文庫)、『コロナは恐くない 怖いのはあなたの「血の汚れ」だ』など、330冊以上にのぼる。著書は韓国、中国、台湾、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス、タイなど世界各国で合計100冊以上翻訳出版されている。1995~2008年まで、日本テレビ系「おもいッきりテレビ」へのレギュラー出演など、テレビ、ラジオ、講演などでも活躍中。先祖は代々、鉄砲伝来で有名な種子島藩の御殿医。

子が親より早く死ぬ事例、なぜ増えているのか…平均寿命短縮化で老後2千万円も不要?のページです。ビジネスジャーナルは、ライフ、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!