歳を重ねていくうちに、「病気をしたくない」「ボケたくない」「老け込みたくない」といった思いは強くなるものだが、どうしても体のどこかに不調が出たりしてしまう。その中で、唯一防ぐことが可能なのは「老け込まないこと」だろう。外見や体力が老け込んだとしても、心が老いなければ、若々しい気持ちを保つことができる。
では、そのためにはどうしたらいいのか。
『心が老いない生き方』(和田秀樹著、ワニブックス刊)では、高齢者専門の精神科医の著者が、心の自由を取り戻し、高齢期の自由な時間をワクワクして生きるための方法を紹介している。
自由な立場で世間に必要とされる「フリーランス老人」を目指す
定年を迎えて職場を去ると決まったとき、現実は受け入れつつも「まだ働ける」という気持ちも残っているかもしれない。高齢になっても仕事があるかどうかというのは、心の若さを考えるときに大事な要素だ。
もし、仕事が張り合いを与えてくれるならば、世間に必要とされる高齢者でいるといいという。身についた技術や現役時代に取った資格があるならそれを活かしてみる。また、特定の分野について知識や情報を持っているなら、それを求める人に教えることもできるだろう。
そういう存在になるためには、近所も含めて、うわべの付き合いもあっさり受け入れるようにすることだ。何か頼みたいことや手を借りたいことができて、「誰かいないかな」と探したときに「あの人なんかどうだろう」と思い出してもらえる。そういう人になるだけなら自分を売り込んだり、面倒な人間関係を築いていく必要もない。
自由に生きているけれど、ときどき世間に必要とされる。そんな「フリーランス老人」を目指してみるのもいいはずだ。
また、長生きできるのは文句なしで幸せなこと。その長生きが悩みや不安の種をもたらしているとしても、生きている間は自分の人生を楽しむしかない。そこで、「ここからはご褒美」と割り切り、後の人生を自分でどう楽しみ尽くすかを考えることで、心は自由になる。
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高齢になると、「やらなければならないこと」も減っていく。だから、自分の暮らしを自分で工夫して作っていかなければならない。自由を心ゆくまで楽しみながら暮らしを作っていくことが重要なのだ。本書を参考に、心が若々しく生きる方法を実践してみてはどうだろう。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。