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固有名詞が思い出せない→30分ほど別のことをすると思い出せる理由…研究結果

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※画像はイメージ(新刊JPより)。

 天井のシミや雲の印影が人の顔に見えてくるという経験をしたことはないだろうか。これは一体なぜなのか。このような人間心理のふしぎ現象を研究をするのが心理学だ。

天井のシミが人に見える現象の名前は?

 『面白すぎて時間を忘れる人間心理のふしぎ現象: この「心のバイアス」に気づいてる?』(内藤誼人著、三笠書房刊)では、心理学者・立正大学客員教授の内藤誼人氏が、なんだかよくわからないままに私たちがとっている行動の裏にある心のバイアスを紹介する。

 写真を見るとき、人が写っていれば、まず人の顔に目がいくように、人は人間の顔に特別な注意を向けるものだ。「まず人に目を向ける」という心の働きが強いあまり、ときには誤作動を起こすことがある。人などどこにもいないのに「人がいる」と認識してしまうのだ。これを「パレイドリア現象」という。壁や天井のシミが人の顔に見えるというのも、心霊現象でも何でもなく、単なるパレイドリア現象である。

 パレイドリア現象は視覚的なものだけでなく、聴覚的なものにも起こる。エアコンや冷蔵庫の「う~、う~」というファンの音が人のうめき声に聞こえるのも、パレイドリア現象の一つだ。

 また、テレビを見ていて「このタレント、顔は覚えているけど、名前が出てこない」といった経験がある人は多いはず。のど元まで出かかっているのに肝心な名前が出てこないこの現象を「意地悪なお姉さん効果」(アグリー・シスター効果)というそう。

 この場合の意地悪なお姉さんとは、シンデレラのおとぎ話に出てくるお姉さんのこと。思い出したい言葉を思い出せないのは、頭の中で意地悪なお姉さんに邪魔されているようなものだと考えて、このような名前がつけられた。

 また、これは「舌先現象」とも呼ばれている。アメリカにあるサザン・メソジスト大学のアラン・ブラウン氏は舌先現象について調べた研究を徹底的に集めた中で「30分くらいで正しい言葉がわかることが多い」という結果を出している。思い出せないときにはムリに思い出そうとせず、他のことをしながら30分くらい待ってみると、思い出せるかもしれない。

 日常の中でなんだかよくわからないままにとっている行動には、心のしくみが関係していて、その言動には「意地悪なお姉さん効果」のように心理学では名前もついている。身に覚えのある行動も多く紹介されている本書から、人間心理のふしぎを楽しんでみてはどうだろう。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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