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私の場合、引っ越し後、町の人から大歓迎され、町内会にスカウトされた。汚れた空き家がそのまま放置されていては、不審火や犯罪の温床になるのではないかと不安視されていたからだ。それが新築同然のキレイな家に生まれ変わったことで、「あなたのおかげで、街並みがよくなった」と褒められた。そして、「古い家を壊さずに再生させる、こんな方法があったなんて」と驚かれた。そこで私は自宅を開放して、多くの人に築37年の家が新築同然に生まれ変わることや、リノベーションの魅力を伝えている。
また、東日本大震災で被災し、骨格だけ生き残った家を見るにつけ、「まだやり直すチャンスがあるのではないか」と思っている。私の家がその証明だ。誰もが、「取り壊して、新しい家を建てたほうがいい」と反対した。でも、そうしなかった。誰も買わない壊れた家にこそ、無限の資産価値がある。ほぼ0円の価値しかない築20年以上の家に、ぜひ目を向けてみてほしい。
(文=高橋洋子/暮らしのジャーナリスト)
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