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料理は科学 ~最先端調理法から添加物の応用法まで~

極上ローストビーフ、自宅で安く&手間なしでつくれる!硬い米国肉が和牛並みに!

文=へるどくたークラレ/サイエンスライター
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まずは肉の成分を知っておこう

 調理に入る前に、肉の成分について解説します。牛肉には大きく分けて3つのタンパク質が存在します。
 
 まずは筋原繊維タンパク質(繊維状タンパク質)で、牛肉の5~6割を占めます。肉が肉たる部分で、水には溶けにくく、摂氏45度以上で変性凝固が始まります。火を入れることでアクチンとミオシンが結合したアクトミオシンが生じます。熱を加えすぎると、アクトミオシンが増えすぎて硬くなるので、アクトミオシンが適量になるように調理師は苦労するのです。

 次に筋形質タンパク質(球状タンパク質)。成分としてはミオゲン、ミオアルブミン、ミオグロビン、ヘモグロビンなどです。肉の3割前後を占める球状のタンパク質で、肉のうま味成分を内包して肉の中に顆粒状に含まれています。肉のアクの成分でもあり、煮込み料理などでアクを取りすぎると、せっかくのうま味を逃がしてしまうことになるので注意が必要です。牛肉の場合は、この筋形質タンパク質に臭みも含まれるので、少し除去するかスパイスなどで中和する必要があります。

 最後に基質タンパク質。コラーゲンやエラスチンといった肉の柔軟性を司る潤滑剤的な働きのタンパク質です。水に溶ける成分なため、煮込み料理で煮すぎると硬くなるのは、この基質タンパク質が肉から抜けてしまうからです。

 通常の調理では、これらに気をつけながら火加減や調理時間を調節するのですが、真空低温調理では一切無視して構いません。

肉の仕込みと料理法

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 さて、いよいよ真空低温調理を始めますが、やることは極めて簡単です。

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