外回りの多いビジネスパーソンにとって、出先でのスマートフォン(スマホ)やタブレット、PCの充電切れは避けたいところ。そこで重宝するのが、コンセントがなくても手軽に充電することができるモバイルバッテリーだろう。今は商品のスペックや価格帯がバリエーション豊富なため、どのモバイルバッテリーを購入していいのかわからないという人も多いのではないだろうか。
そこで、『できるゼロからはじめるiPhone X/8/8 Plus超入門』(インプレス/共著)などの著者でモバイル評論家の法林岳之氏に、コスパのいいモバイルバッテリー選びのポイントを聞いた。
モバイルバッテリーの容量とサイズは比例する
「最初に考えるべきは“1日に何回充電するのか”ということ。たとえば、営業で朝から夕方まで帰ることができないのであれば、多くて2、3回の充電回数が見込まれます。現在発売されているスマホのバッテリーは多いもので3000 mAh前後ですが、スマホの充電という用途で考えるのであれば、モバイルバッテリーの容量は10000mAhあれば十分でしょう。
コンパクトなサイズ感を重視している方もいるかもしれませんが、モバイルバッテリーに使われている『セル』という電池は、容量によって使用される本数もおおよそ決まっているもの。単純に小さければ小さいほど容量も少なくなってしまうというわけです。ですからサイズの小ささで選ぶのではなく、自分のビジネススタイル、ライフスタイルをふまえて、まず最低限必要だと思う容量を決めておいたほうがいいと思います」(法林氏)
つまり、“ミニサイズで大容量”というモバイルバッテリーは基本的にないということか。
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次に、充電の早さを表す規格「クイックチャージ」について聞いた。
「そもそもクイックチャージとは、米クアルコムがつくった規格で、通常よりも短時間で急速に充電できるものに付いています。いくつかのバージョンがありますが、現行機種のほとんどのスマホはいずれかの規格に対応しています。数年前の少し古いスマホは、機種によって対応していないことがあります。ですから、充電時間の短縮を望むのであれば、自分の持っているスマホがそもそも対応しているかを確認しておく必要があるでしょう。ちなみに、“急速充電”などのキャッチフレーズが書かれていても、クイックチャージの規格に対応しているとは限らないので注意が必要です」(同)