もちろんクラウドサービスですべてがまかなえるわけではない。仮想デスクトップなどで対応するという方法もある。どういう方法をとるにしても、考えるべきは少し先の未来だ。今回のWindows XPからの乗り換えをどうにか乗り切っても、OSの転換期はまたすぐにやってくる。最新OSであるWindows 8はビジネスユーザーに敬遠されがちだが、次の候補となるWindows 7もすでに発売から4年が経過している。現時点ではメインストリームサポートが15年1月までとなっており、延長サポートも20年1月で終了する予定だ。もし今回Windows 7に乗り換えるのならば、6年ほどでまた同じことを繰り返さなければならない可能性がある。その時に困らないための準備もしておきたいところだ。
●PCを捨てるなら今がチャンス
PCや周辺機器は捨てるのも難しい。家庭用のものでも簡単に粗大ゴミに出すというわけにもいかないが、事業用のものとなればなおさらだ。
Windows XPの初期に購入されたマシンには、家庭用のものでもPCリサイクルマークがついていない。法人向けの製品にはその後もつけられておらず、本来はメーカーに依頼して有料回収ということになる。しかしすでにメーカーがなくなってしまった、日本市場から撤退してしまったということもあるだろう。それでも有料回収は可能なのだが、その手間とコストは馬鹿にならない。
そこで利用したいのが、独自に部品リサイクルなどを行っている回収業者だ。「パソコン 回収」などのキーワードで検索するといくつも業者が見つかる。「パソコンファーム」、「パソコン処分.com」などはテレビ等で紹介されたこともあり、有名だ。こうした業者が通常ならば送料元払い等のところを、完全品のPCが入った荷物ならば着払いでも受け入れるなど、いわゆるセール状態になっている。個人でも法人でも利用可能なサービスが多く、データ廃棄や資産移動の証明書発行などを行ってくれることも多い。
また、液晶が割れているなど物理的な破損がある機器は回収業者でも嫌われがちだが「ごみパソ」は、故障しているものでも無料で引き取ってくれる。今回使わなくなるPCだけでなく、PC周辺のあらゆるものを一度見直し、不要物はすっきりと捨てたいという場合に利用したい。
個人でもあまり利用してほしくないのは、軽トラックなどで呼びかけながら走っている流しの回収業者だ。「動かなくてもけっこうです」などというのが決まり文句だが、基本的に有料回収だし、行き先は単純なゴミ処理だ。できればリサイクルやリユースに回る業者を使うのが望ましい。
(文=エースラッシュ)