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朝日と安倍政権の“距離の遠さ”
ある全国紙の元政治部記者は「今回の件についていえばやはり朝日は単純に、安倍首相自身やその周辺への取材が足りていなかったのではないか」という見方を示す。
「朝日の当初記事には、『政府内では今回の判決に対して控訴せず確定させることはできないとの意見が強く、控訴期限の12日を前に控訴する方針』と書いてあるが、これは法務省や厚生労働省など役所側で大勢を占めていた意見。この朝日の記事では官邸側の思惑についてはほとんど触れられておらず、役所側の感触に重点を置いて記事を書いたのではないか」(全国紙の元政治部記者)
また他の全国紙で霞が関の取材をしているベテラン記者は、「マスコミ各社もしばしば報じているように、安倍政権はまさに『官邸主導』で、政策に関しても官邸の決断が大きい。なので、特に重要な政治案件においては、安倍首相と周辺がその案件についてどう考えているのか……という“感触取材”が欠かせない」と指摘する。
朝日自身は10日付朝刊2面で、「本社記事誤った経緯説明します」という、栗原健太郎・政治部長の署名による記事を掲載。その中で「政権幹部を含む複数の関係者への取材を踏まえたものでしたが、十分ではなく誤報となりました」と、取材不足による誤報を認めた。
前出の全国紙経済部中堅記者は、最後にこう分析してみせた。
「安倍政権になって朝日は安倍政権批判を強めており、安倍首相や政権幹部とは距離がある。今回の朝日の“大誤報”ははからずも、そうした事態を最悪の形で示してしまったのではないか」
(文=編集部)
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