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世界の覇権国であり、長年にわたって英国など主要欧州諸国と強力な同盟関係を維持してきた米国にとって、英国やドイツなどが露骨に中国にすり寄ることは予想外の展開だったかもしれない。特に、南シナ海での強引な人工島建設に伴う問題が顕在化している現在、米国の意図を軽視する欧州諸国の態度にはやや困惑を感じているかもしれない。
中国との領土問題を抱える日本にとっても、欧州諸国のスタンスはプラス要因ではない。ただ、欧州諸国と正面から対立する構図は得策ではない。今後の主要国の態度を注視すると同時に、冷静な大人の態度が必要だ。
足元で中国経済は、過剰供給能力と過剰債務の問題に直面している。少子高齢化の人口問題も無視できない。そうした課題を抱える中国経済の減速は明確化している。中国にかつてのような高成長を望むことはできない。中国経済の成長鈍化が一段と鮮明化すると、したたかな欧州諸国は親中国一辺倒の政策運営はできなくなるだろう。そうした変化を敏感につかみ、日本は国際情勢の変化をうまく使えばよい。そのチャンスはくるはずだ。
(文=真壁昭夫/信州大学経済学部教授)
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