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ツタヤ図書館、契約ずさんとして住民が訴訟!市が住民の情報開示要求を拒否!深まる不信

文=日向咲嗣/ジャーナリスト

 当サイト記事でも何度か取り上げたが、レンタルビデオチェーンTSUTAYA(ツタヤ)を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が公共図書館を運営するに当たって、数々の疑惑の声が上がっている。その一方で、「新しいことを始めると不具合はつきもの。恐れずにチャレンジして、そのつど改善していけばよい」と、CCCを擁護する声も根強い。

 また、10月からCCCに図書館の運営を任せている神奈川県海老名市の住民アンケートでも、CCCの図書館運営に「満足している」と回答した人が8割を超えるなど、地元住民から一定の評価を得ていることも、まぎれもない事実である。

 しかし、これまでCCCによる不可解な図書館運営を見せつけられてきた「反ツタヤ民」からすれば、まるでチャリティーイベントの主催者が人を集めておきながら、会場内で別の私的な商売をして儲けているのと同じように映るだろう。

 つまり、公共施設で私腹を肥やす背信行為に対して怒りの声が上がっているのに、「大勢の人が来て喜んでいるのだから、それで何が悪い」と開き直っているようにもみえ、元の地味な図書館のほうがよっぽどマシと思う人も多いのではないか。

 この問題が深刻なのは、いくら反対する市民がCCCの図書館運営を糾弾し続けても「ツタヤ図書館」は簡単にはなくならず、また今後も同じスタイルの図書館が全国各地に続々とできていくのが確実であるという点だ。

 なぜならば、ツタヤ図書館で見られるような民間企業に公共施設の運営を任せる方式は、通常の民間委託とは根本的に性質が異なる「指定管理者制度」だからである。

 そもそも、CCCの公共図書館運営が度を超した公私混同になっている原因は、現行の指定管理者制度が、公務を利用して野放図なカネ儲けを企む企業にとっては抜け道だらけだからだ。行政が公務の受託企業を監視監督するガバナンス制度も正しく機能していないことが、市民たちの追及によって次第にわかってきた。

「問題が生じても、役所が指導さえすれば改善されるはず」と考えるのは、指定管理者制度の実態をまったく知らない、おめでたい話と言わざるを得ない。

指定管理者制度の問題点

 では、どこが問題なのか、具体的にみていこう。

 指定管理者制度とは、2003年の地方自治法改正によって、自治体が指定した民間の企業や団体に公の施設の管理を代行させることができるとした制度である。

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