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袴田さんの存在自体がメッセージ
袴田さんは3月10日に80歳になった。事件の1カ月半後に逮捕されてから48年間、死刑が確定してから33年間も、獄中につながれて執行の恐怖と向き合うことを余儀なくされた影響で精神を病み、釈放から2年になる今も意味不明の言動が多い。
そんな袴田さんと姉・秀子さんの生活風景を追ったドキュメンタリー映画『袴田巖 夢の間の世の中』が完成し、東京・ポレポレ東中野で上映されている。今後、全国各地で順次公開される予定だ。
「ありのままの巖を見てほしい」という秀子さんの望みに応えるかたちで、社会に戻ってからの歩みを淡々と描き出している。釈放直後は能面のようだった表情や、おぼつかなかった歩き方が、次第に変わっていくさまが印象的だ。
金聖雄監督は「袴田さんの存在自体がメッセージ。解放されてからの日常の小さな変化や発見を丁寧に伝え、袴田さん姉弟の生きざまに思いを寄せる作品にしたかった。そこから自ずと司法のむごさや理不尽さが浮き彫りになるのではないか」と狙いを話す。
ぜひ映画を観賞していただき、裁判の現況と重ね合わせながら、冤罪や死刑のことを考えてほしい。
(文=小石勝朗/ジャーナリスト)
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