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『100日後に死ぬワニ』最初から“電通案件”?怒涛のビジネス展開で「ファンを裏切り」

文=編集部
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電通本社(西村尚己/アフロ)

 4コマ漫画『100日後に死ぬワニ』が20日に第100話目となる最終回を迎え、終わりを惜しむ声が多数上がる一方、なぜか困惑の声も広がっているようだ。

 同作は漫画家、きくちゆうき氏が昨年12月12日からTwitter上で投稿を始めたもので、開始から瞬く間に話題となり、Twitterのフォロワー数は20日時点で約195万人にまで膨れ上がっている。最終回を迎えるとともに、「100日後に死ぬワニ」公式ツイッター上には、「書籍化決定 映画化決定 グッズ・イベントなど続々」とのコメントが投稿され、以下の内容が告知された。

・20日から期間限定で、楽天「Rakutenコレクション」上の「100ワニ コレクション」で関連グッズ販売開始

・21日から渋谷、名古屋、大阪・梅田のLOFTで「100ワニ追悼POP UP SHOP in LOFT」が開催され、関連グッズ販売

・書籍化され、4月8日に小学館から発売

・映画化も決定

 大きな反響を呼んだ人気漫画だけに、このように大きくビジネス展開されるのは自然な流れにもみえるが、“ワニが死んだ”最終回を迎えたのと同時にそれらが一斉に発表され、大々的に広告が打たれたことで、違和感を感じる読者も多いようだ。また、20日にYouTube上で公開された「100日後に死ぬワニといきものがかり『生きる』のコラボムービー」には大手広告代理店の電通のプランナーが関わっていることが明らかになり、さらに公式Twitterの運営会社のHP上には取引先として「電通東日本」の名が書かれていることも判明し、「すべては最初から電通が仕込んだ“電通案件”だったのではないか」と“冷める”人が続出。インターネット上でも次のように賛否両論の声が上がっている。

「かなり話題になってたワニくんは結局電通案件だったんですってね。そもそも3カ月程度でこれだけの商品ラインナップ揃えられないっしょ」(原文ママ、以下同)

「ワニが電通案件なのはいいんだよ。最終的にネット上でのコンテンツとしては成り立っているから。でもなんで死んだ途端に楽しそうにメディア展開やらグッズ展開を送り込んでるんだよ。広告代理店なのにマーケティング下手くそ」

「100日で死ぬワニは死の即日に『この後劇場公開!』みたいな展開を発表したのが作品の余韻をぶち壊していて、ワニのキャラクター性をも損ねているのが良くないのであって、商業展開がダメでもないし、むしろそれは夢のあることだと思うよ」

「4コマなのに伏線や仕掛けがあり、話も素晴らしいので作者さんに利益が入ることは喜ばしいのですが、なんか釈然としないですね…」

「私は本の発表は『ふーん』だったけど、最終日に大量に出てきすぎて冷めた感じですね」

「仮に最初から仕組まれたとしても、これだけ斬新な手法で注目を集めて我々を楽しませた時点で仕組んだ人はすごいし、喜んで金を払いたい気持ちはある」

「まさか終わってからここまでの宣伝ラッシュが来るとは……」

「ここ数日バンバンTVで取り上げられ、何だか遠い存在になってしまったようでつまらない。インディーズから応援してたのにメジャーデビューして、さよならみたいな感覚」

「種をまき、99日かけてユーザーとエンゲージメントを大切に育てたコンテンツを100日目で収穫したのはいいけど その収穫物の料理の仕方が壊滅的に下手でコンテンツが一瞬で陳腐化してむちゃ不味い料理になって全てが台無しになった」

電通案件 の大失敗例として参考になった」

「やはり問題点はさも個人だけで作ってますを売りにしていたところ。2020年1月のインタビューでもやりたいことをただ発信しただけと語られている。対価はあって然るべきだが、最初から電通案件なのを隠してファンを裏切っちゃだめだよ」

「ほんとに電通は壊滅的に下手打つときがあるよな。ほんとに広告代理店なの?」

 こうした声について、企業PRなどを手掛けるプロデューサーは語る。

「良質なコンテンツであれば、広くビジネス展開されて作り手にもきちんと利益が還元され、関連する企業にも利益がもたらされることは、なんら批判されることではありません。今回のケースでいえば、漫画が始まった当初は明らかに“個人でやっている感”が醸し出されていたにもかかわらず、最終話を迎えたと同時に一気にさまざまなタイアップ企画が宣伝され、電通の名前まで出てしまった。さらに漫画のテーマが“100日目で死んでしまうワニ”を描くというセンチメンタルな内容だっただけに、熱心だった読者ほど“冷めて”しまったということでしょう。その意味では、電通が“下手打った”感が否めません」

 いずれにしても、『100日後に死ぬワニ』が世界に羽ばたくビッグコンテンツに成長してくれることに期待したい。

(文=編集部)

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