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自分の店について、納得できない悪評を残されてはオーナーもたまったものではないが、その店の情報については、肯定・否定両面で多くの人がそれぞれの言葉で評価する。そうした表現活動も、尊重されてしかるべきなのだ。では、問題部分のみの削除であれば、認められる可能性はないのだろうか。今回の裁判では、店側が店舗情報ページそのものの削除を求めていたため、否定的な書き込み部分のみを削除することの是非については判断されていない。
札幌高裁は、「社会的に妥当な口コミであれば、損失があっても受け入れるべき」といっているため、否定的な口コミをすべて削除してもらえるとは考えにくい。中野弁護士は、「口コミの内容によっては名誉棄損等が成立し、否定的な書き込みの削除が認められる可能性もあります」と指摘する。
店舗側としては、否定的な口コミで経営に影響が出れば、もはや店舗情報自体を食べログに載せたくないと考えるのは極めて自然なことだ。しかし、裁判所のこのような判断が出た以上、今後は食べログの口コミに不満がある場合、店舗情報ページ自体の削除ではなく、否定的な口コミ部分のみの削除を請求していくことが妥当だろう。
(文=Legal Edition)
【取材協力】
IT・ウェブ企業専門の弁護士 中野秀俊
大学時代、システム開発・インターネット輸入事業を起業、経営を経験する。IT・インターネット企業からの相談を数多く受け、相談件数は600件以上。IT・法律・経営のすべてを熟知している数少ない弁護士である。著書に『ここをチェック! ネットビジネスで必ずモメる法律問題』(日本実業出版社)がある。
ホームページ http://it-bengosi.com/
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