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膨大な奨学金返し、最低賃金で働き続ける人が多発!自己実現できないと死ぬ日本

構成=林克明/ジャーナリスト
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膨大な奨学金返し、最低賃金で働き続ける人が多発!自己実現できないと死ぬ日本の画像1シンポジウム「学生と戦争 - 経済徴兵制をぶっ潰せ!」の様子(左から2人目が高橋若木氏)

 本連載では、4月30日に早稲田大学で行われたシンポジウム「学生と戦争 - 経済徴兵制をぶっ潰せ!」の内容を3回にわたりリポートしてきた。学生の貧困化、社会全体の貧困化が進み、手をこまねいていれば若者に未来はないことは明らかだ。

 今回は、このような状況を変えるために、「最賃1500円運動」(最低賃金を時給1500円にするための運動)と、中小零細企業への支援を求める「エキタス」(AEQUITAS:ラテン語で公正・正義)という運動に参加する、大学任期制専任講師の高橋若木氏(現在は大正大学地域創生学部地域創生学科)の講演を紹介する。

学生は貧困状態にある

 社会問題はいつも、まず「問題の否認」を乗り越えることで始まります。賃金や貧困の問題においては、多くの学生や若者が「貧困である」という事実を、社会的に広く認知してもらう必要があります。

 具体的な数字を見ていきましょう。私は1980年生まれですが、80年当時の国立大学の授業料は年間18万円でした。それが今は53万5800円で、入学料と合わせると初年度は81万7800円かかります(文部科学省「国立大学と私立大学の授業料等の推移」)。

 私立大学は、1980年の授業料が平均およそ35万5000円でした。2014年度の授業料は、86万4384円で、入学料26万1089円、施設整備費18万6171円と合わせると、初年度に平均131万1644円と、私立も国立も授業料は3倍以上になっています。 

 親の収入や実質賃金は減っているといわれる一方、学費は高くなっているのですから、学生はアルバイトをしなければなりません。14年7月の学生アルバイト全国調査によれば、ほとんどの学生がバイトしています(ブラック企業対策プロジェクト「学生アルバイト全国調査結果」)。

67%の学生がバイト先で不当な扱い

 バイトをしている学生のうちの29%は週に20時間以上働いてますが、特に大学1年と2年は、取得単位数が多いので、これでは授業の予習復習をできる状況ではありません。約67%の学生は、労働上なんらかの不当な扱いを経験しています。

 奨学金を受給している学生は回答者の約36%(日本全体では約50%)で、平均利用額は300万円ほど。私自身も現在、日本学生支援機構の学生ローンを必死に返済しているところです。

 私が大学に入学したのは1998年ですが、その頃には教員になると奨学金返済が免除になるという制度は廃止されていましたので、私には免除特権がありません。日本の大学院時代に借りた膨大な奨学金を、ずっと返し続けていかなければなりません。

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