日本で最も県民の幸福度が高い県は福井県――。
日本総合研究所が7月29日に発表した『全47都道府県幸福度ランキング2016年度版』(東洋経済新報社)において、福井県が前回(2014年)に続いて総合1位となった。このランキングは同研究所会長の寺島実郎氏が監修。人口の増加率や1人当たり県民所得など5つの基本指標と、健康、文化、仕事、生活、教育の5分野の指標など計65の指標を総合的に分析してランク付けしたものだ。
福井県の実力はどう判定されたのか。指標別でみると、仕事分野の「インターンシップ実施率(100%)」、「大卒者の進路未定者率(4.8%)」、生活分野の「待機児童率(0%)」、教育分野の「余裕教室活用率(100%)」、追加指標の「女性の労働力人口比率(52.2%)」、「子どもの運動能力(216.8点)」の6指標で1位に輝いた。このほか、「学力」や「不登校児童生徒率の低さ」、「平均寿命」が2位、「正規雇用者比率」「生活保護受給率の低さ」などが3位に入った。
分野別にみると、基本指標24位、健康分野13位、文化分野42位、仕事分野1位、生活分野7位、教育分野1位となっている。「仕事」と「教育」でトップになったことが総合1位のけん引役となったようだ。また、今回新たに発表された移住者の幸福度ランキングでは、「子育て世帯」は1位、「シニア世帯」は5位といずれも高い評価を受けた。
この発表を受け、福井県はさっそく県のホームページに「幸福度ランキング総合1位になりました!」と情報をアップ。次のようにアピールしている。
「幸福度ランキング1位の評価を得たことを機に、『幸福日本一ふくい』をこれまで以上に県内外に発信するため、コピーとロゴを決定しました。今後、様々な媒体を使い『幸福日本一ふくい』を広めていきます」
1世帯当たり年間収入は東京に次いで2位
福井県の実力を示すデータを、民間調査機関や政府のデータからいくつかピックアップしてみよう。
・社長輩出数
帝国データバンク福井支店の発表(16年1月)によると、人口10万人当たりの社長輩出数で福井県は1453人(15年)となり、なんと34年連続でトップとなった。国内生産の9割以上を担う眼鏡フレーム関連業者や繊維関連企業など独立資本の企業数が多いため、と分析している。