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六代目山口組分裂騒動への影響必至!神戸山口組の中核・山健組で何が起きているのか?

文=山口組問題特別取材班
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分裂したといわれる五代目山健組のトップ、中田浩司組長

 5年前の8月、日本最大のヤクザ組織である山口組が分裂するなど、誰が想像することができただろうか。そうしたなか、六代目山口組から割って出た勢力によって誕生した神戸山口組。普段はヤクザの情勢など報じないマスメディアさえもが、山口組の分裂騒動をこぞって取り上げ、神戸山口組という存在は世間に認知されることとなった。

 その神戸山口組の中核組織、山健組の保守本流といわれる健竜会や、四代目山健組体制発足時に若頭を務めた妹尾組などの勢力が、今度は神戸山口組を離脱し、五代目山健組として独立路線を歩むことになったのではないかというのだ。こんなことも誰も想像できなかったはずだ【参考「神戸山口組から中核・山健組が離脱」】。

 これまでも、神戸山口組では多くの離脱者を出してきている。ここ最近も、六代目山口組への復帰が相次いでいるのは既報の通りだ【参考「三代目弘道会に起きた衝撃の移籍劇」】。また、過去には神戸山口組の最大勢力である山健組から、大量の離脱者を出したこともあった。それでも神戸山口組の屋台骨は揺れることなく、存続し続けていた。その理由は、五代目山口組時代に「山健にあらずんば山口にあらず」とまでいわれた山健組の一定の求心力が、今でも維持されているからだともいえよう。

 だが、その山健組に、またしても亀裂が入ったというのである。それも、これまでとは大きく異なる様相の亀裂だ。

 今回、神戸山口組を離脱したとされる健竜会は、五代目山口組・渡辺芳則組長や神戸山口組・井上邦雄組長らの出身母体である。その山健組の中核が、神戸山口組の執行部に不満を持ち、同様の考えを持つ他の山健組傘下組織とともに、神戸山口組の外に山健組を組織するのではないかというのである。

 いったい、執行部に対して、どんな不満があったというのか。神戸山口組を離脱した山健組傘下組織の規模はいかほどなのか……さまざまな情報が激しく錯綜するなかで、7月11日、神戸山口組内の五代目山健組の勢力は、兵庫県高砂市内で緊急会合を開催させている。事態が深刻であると思われるわけは、その会合に神戸山口組・井上邦雄組長が出席する方向で調整が進められたのではないかといわれたところだ。

 「通常であれば、井上組長は神戸山口組の組長ですので、いくら出身母体とはいえ、下部組織の山健組の会合に出席することはまずありません。最終的に井上組長の出席はなかったようですが、山健組内部がそれだけ深刻な事態になっているということでしょう」(ヤクザ事情に詳しいジャーナリスト)

 山健組のトップは、六代目山口組への抗争事件に関わった疑いで逮捕、起訴され、現在も社会不在を余儀なくされている中田浩司組長【参考記事「山口組分裂劇に衝撃…組長がヒットマンに」】。ここで注目すべきは、今回、神戸山口組を離脱した組織は、その中田組長の意を汲む形で離脱したといわれる点だ。そして、神戸山口組の五代目山健組のトップもまた、現時点においては中田組長ということになるのである。

「関係者の間で話題になったのは、獄中からの中田組長の伝言だ。現在、中田組長は接見禁止をつけられているため、弁護士以外は話ができない。その弁護士を通じて、中田組長から山健組の組員らに『好きにしてよい』という旨の言葉があったのではないかといわれており、その言葉が今回の健竜会を中心とした勢力の離脱、もしくは分裂に繋がったと見られている」(捜査関係者)

 この情報を信じるのであれば、神戸山口組・井上組長サイドと、山健組の中田組長サイドが対立関係にあることは想像に難くない。四代目山健組組長であった井上組長に順ずるのか、当代であり分裂抗争の前線で身体を張り、結果その身を拘束され、今なお獄中に身をおきながら、当局に対して沈黙を貫く中田組長の意向に沿うのか。山健組の組員らは、その選択を強いられ、それぞれの信念に従い、行動を起こしていると推察できるだろう。果たして、その裏に何があったというのか。

 いずれにせよ、その屋台骨たる中核組織が大きく揺れているということは、神戸山口組全体の勢力に影響してくることになる。それはすなわち、六代目山口組分裂問題にも直結することになるのだ。発足から間もなく5年となる神戸山口組が、厳しい局面を迎えているといえるのではないだろうか。

山口組問題特別取材班

山口組問題特別取材班

ヤクザ業界をフィールドとする作家、ライターおよび編集者による取材チーム。2015年の山口組分裂騒動以降、同問題の長期的に取材してきた。共著に『相剋 山口組分裂・激動の365日』(サイゾー)がある。

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