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サウジは目先の資金確保に奔走している。資金捻出のために同国が保有する米国債を売却する可能性もある。それは、米金利の上昇圧力につながり、世界の金融市場の混乱要因になる恐れがある。9月28日には米国でテロ支援者制裁法が成立し、テロの遺族がサウジ政府を相手取り、損害賠償を求めて提訴することが可能になった。当然サウジは法成立に懸念を表明している。米国政府へのけん制として、サウジが米国債を売却することも想定される。
以上のように考えると、9月28日のOPEC臨時総会は産油国の団結よりも、サウジの苦境を確認する機会だったといえる。原油価格の動向次第では、同国の経済がより厳しい状況に直面し、保有する金融資産の売却や金融システムに関する懸念が高まるだろう。それが、世界の金融市場にショックを与える可能性の大きさには注意が必要だ。
(文=真壁昭夫/信州大学経法学部教授)
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