トランプ失脚工作に巨額マネーばら撒く「黒幕人物」…全米中のデモ参加者に日当支払い
たとえば、ニューヨークをはじめ全米15の州では「移民・難民の入国禁止に関するトランプの大統領令は無効だ」として訴えがなされている。そうした活動の現場ではソロス氏の息子ら関係者が行動を共にしており、アンチ・トランプ活動を加速させている様子がうかがえる。
ソロス氏の狙い
思えば、同氏は選挙期間中、一貫してヒラリー・クリントン候補を応援していたものだ。ソロス氏が自らの財団を通じて、元大統領のビル・クリントンやヒラリー夫人を支援していたことは、以前からよく知られていた。しかし、トランプ大統領が誕生した後も、トランプ氏を引きずり下ろそうと、水面下で工作を続けているわけで、その執拗な性格は恐ろしい限りだ。
一体、彼の狙いはなんなのか。ソロス氏といえば、天才的な金融投資家としてその名が世界に轟いている存在だ。日本にもたびたび顔を見せている。1930年にハンガリーの首都ブダペストで生まれ、ナチスの迫害や第2次世界大戦の戦火を逃れ、苦労しながら、英国で経済と国際政治を学び、その後56年にアメリカに渡った。69年にヘッジファンドの先駆けともいえる「クォンタム・ファンド」を設立して以来、記録的な利回りを達成し、巨万の富を得たことで知られる。
自らが難民と同じ境遇を生き抜いてきたという経験もあるためか、弱者に対する思いやりは人一倍強いようだ。79年にニューヨークで設立された「オープン・ソサエティー財団」の活動は、その後、世界各国に広がり、いわゆる「ソロス財団ネットワーク」を構築している。その最大の狙いは「世界に民主主義を広げることにある」とは本人の弁である。旧ソ連時代から、ロシアの非民主的な政治体制を批判してきた。プーチン大統領を評価する発言を繰り返すトランプ大統領には反発や危機感を抱いているに違いない。
第3次世界大戦の可能性
最近、このソロス氏が注目しているのが中国の動きである。というのも、同氏の見立てによれば、「中国は遅かれ早かれアメリカを抜き、世界経済の新たな牽引車として君臨するだろう」と目されるからだ。しかし、2014年以降、同氏は「中国と日本を含むアメリカの同盟国との間で、第3次世界大戦が起こる可能性が高まっている」との衝撃的な発言を繰り返すようになった。南シナ海での岩礁埋め立てや中国によるものと思われるアメリカ政府機関へのサイバー攻撃などが顕在化している動きに加え、中国内部の「奥ノ院」からの独自情報に基づく判断のようだ。